効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

今年も終わる

2011年の最後の日。今年は、自分が多少たりとも関わっているエネルギー業界が大きく転換する年だった。それも電力供給事業だけではなく、ガス体エネルギー事業、IT事業、これらと密接な関係のあるメーカー、消費者などをも包括したものが大きく変化しようと…

韓国と電力系統連系

秀和システムから夏に出版した「スマートグリッドの基本と仕組み」第2版で、日本を縦断する高圧直流幹線を新設し、北海道東北地方に豊富な風力を利用した発電からの電力を、周波数が異なる地域をまたいで送ることができるようにすることを提案し、その延長と…

三井物産とトレス・アミガス

28日の日経新聞が報じ、同時に米国からの情報も入って知ったのだが、米国で大きく3つに分かれている送電系統を高圧直流で結ぶ、トレス・アミガスと呼ばれるプロジェクトに三井物産が投資をすることになったようだ。このプロジェクトには以前から注目していた…

電力事業改革論点整理

政府が電力改革の論点整理をまとめた。家庭向け電力小売の自由化、発電と送配電の分離など、過去に検討が回避された課題を網羅したと報じられている。制度改革では電力供給体制の見直しに加えて、消費者が自ら需要抑制に取り組める仕組みを重視しているとい…

REN21とISEP

いま脱原発の実現に向け、そして再生可能エネルギーの大量導入に向けて活躍している飯田哲也氏が所長をしている特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)から資料が送られてきた。REN21(自然エネルギー政策ネットワーク)から発行された報告書の…

西日本の電力会社が風力導入へ協力体制

供給される電力の周波数が60ヘルツである西日本にある電力会社、中部、北陸、関西、中国、四国、九州の6社が、各社の供給区域をつないでいる地域間連系線を活用して、風力発電の導入を拡大することで合意したと報じられている。これから急速な拡大が見込まれ…

木質バイオマスからバイオエタノール

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が最近発表した情報によると、木質バイオマスから効率よく低価格で生産する技術を確立するために、広島県呉市にある王子製紙株式会社呉工場内に国内最大級の試験用パイロットプラントを建設して実証試験を開始す…

米国の再生可能エネルギー消費量

米国エネルギー情報局が発表した資料によると、今年のこれまで9ヶ月に1次エネルギー消費の9%が再生可能エネルギーだという。そして、その再生可能エネルギー消費量の内、47%がバイオマス、水力発電が37%、風力が12%、地熱が3%、太陽が1%という数字が出…

東芝が新しいバージョンの燃料電池を

家庭用燃料電池「エネファーム」の新機種を開発したことを発表した。発電出力は250〜700ワット。固体高分子型のものだ。2012年2月から大阪ガスを中心とした都市ガス会社を通じて発売する。先にパナソニックが同様の新機種を発表したのに次ぐものだ。大阪ガス…

テキサスの風力発電

米国テキサス州に導入されている風力発電は米国最大の規模となっている。しかもこの州の送配電網は他の州との接続規模が非常に少なく、融通を受けるのが難しい。これ以上風力発電を増やせば、どうしても気候条件で変動する風力発電の出力による系統への悪影…

小水力利用

積み上がった資料を整理していたら、今年4月1日付けの全国小水力利用推進協議会から来たニュースレターがあった。ゆっくり読み直していて、電気事業法施行規則改正について解説した記述があったのに出くわした。3月14日付けの改正だ。主たる内容は、同協議会…

小型ガス火力発電設備

関西電力が節電要請を本格的に実施し始めた。10%削減というのは全体での数字だろうが、冬の需要は夏と違って昼間がかなりフラットだから、需要家は長時間電気機器の使用を我慢しなくてはならない。前年同月に比較してということだが、特に家庭レベルではそ…

北極海

昨日奈良市内で、エネルギーと環境についてお話しさせて貰った。体調を崩して以来始めてのことで、医師からは許可を貰っていたものの、2時間の長丁場をこなすことができるか、自分でも若干心配しながらのことだ。体調を理由にお断りするタイミングを逸してし…

ソフトバンクの孫社長とメガソーラー

ソフトバンクの孫社長は「自然エネルギー協議会」を設立し、その趣旨に応じて参加したのが35道府県。その後熱が冷めたような感じがしていたが、15日に報道陣に公開したのが北海道帯広市の帯広競馬場に建設した大規模太陽光発電所(メガソーラー)の実験プラ…

おん祭り

15日から18日まで、1136年に始まった「春日若宮おん祭」が営まれている。春日大社の摂社、若宮神社の例祭で、祭神の若宮様を参道沿いのお旅所に迎えて伝統芸能が奉納される。初日には、参列者の身を清める「御湯立(みゆたて)」や祭りの無事を祈る「大宿所祭…

日本の電力供給周波数統一

電力周波数が50ヘルツである東日本を60ヘルツである西日本に統一するコストが政府によって試算されたそうだ。60ヘルツにしようとすると、発電機やタービンの交換に14・6兆円、変圧器・保護リレーなどの交換に1・9兆円が必要と報じられている。50ヘルツ…

昨日の大阪ガスが発電事業を拡大 についていただいたコメント

Unaさんから『事実関係だけですが、大阪ガスは、PPS登録していますから、PPSが関西電力の送電線を活用して自家発の余剰電力を買い集め、ユーザーに届けるのは全く問題ないし、それこそ多くのPPSがやっていることです。あまり愚痴りたくはないのですが、こう…

大阪ガスが発電事業を拡大

報道によると、大阪ガスが原子力発電所1基分にあたる100万キロ・ワット程度の発電能力を増強し、2020年度をめどに同社の国内の電力事業の規模を280万キロ・ワット程度に拡大する方針を出したようだ。この記事の見出しを眺めたとき、大阪ガスは電…

COP17閉幕

2〜3日前にも触れたが、11月28日から南アフリカ第2の都市ダーバンで開催されていた国連気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)が予定に遅れながらも何とか合意を作りながら12月11日に終了した。来年末に終わる京都議定書第1約束期間を、何とか延長でき、…

電線

日本電線工業会が工場やビルの電気を供給する電線について、新技術ではないが、新しい発想、電線の太さによるエネルギー効率の向上に取り組み始めている。電線は導体断面積を大きくすると抵抗が小さくなり、通電時の損失を抑えられる。直径を2倍にすれば断面…

蓄電池

蓄電池のアプリケーションが多様になっている。東芝が特性の異なるリチウムイオン蓄電池と鉛蓄電を組み合わせて、使い方に応じて最適な充放電ができる蓄電システムを商品化して2012年度中に発売するという。主にビルやマンション、工場向けで、蓄電容量が1ユ…

COP17

南アフリカのダーバンでCOP17が、当初予定された最終日を一日延期して幕を閉じようとしている。京都議定書は延長されるが、それに続く新しい枠組については発効時期を明示しないで終わるようだ。日本はCO2排出量が多い中国を始めとする途上国も削減義務を負…

スマート・トランスポーテーション・システム

米国のリサーチ会社が、スマートシティーの時代には、情報技術を駆使したインテリジェントな運輸システムが必要となり、それに必要なソフト技術の市場が膨大となるとしているのを知った。これには車や公共交通機関が円滑に動くようにするということに止まら…

関西電力の美浜原発2号機、水漏れで停止

このブログを再開後、です・ますの文体を使ってきましたが、自分のメモに代わるものとして書いていますので、ちょっと違和感がありました。今日から、である文体に変えることにします。 関西電力は、美浜原子力発電所2号機(福井県美浜町、出力50万キロワッ…

東京電力が発電所を売る

東京電力が自社所有の発電所を売却すると報じられました。これまで卸し電電力事業者から電力を買うことはありましたが、基本的には発電の殆どを自社で行うのが日本の電力会社の基本的考え方です。この方針を変えるというのは、他の電力会社にも波及していく…

スマートメーター設置

米国のスマートメーター設置のテンポが地域によってまだらになっているようです。カリフォルニア州にある大手のサンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック社は、98%の顧客にスマートメーターの取付を完了し、これからはそれを使った顧客サービスの強化を…

交直変換増強

日本の電力会社の送電網は、東と西で周波数が異なっていることは多くの人が知るようになっています。今回のような日本全体の供給力が不足する場合に、周波数変換設備能力が120万キロワットしかないために、支援に大きな制約となっています。いまそれに90万キ…

ディーゼルエンジン自動車

いま開催中のオートショー、現場へ見に行くのはできなかったのですが、内容については興味があるので新聞などには気をつけています。どうも今年が自動車の設計に大きな区切りとなるような感じがします。電気自動車、プラグイン・ハイブリッド車、燃料電池自…

小水力発電

自分も会員の端くれである全国小水力利用推進協議会から、小水力発電事例集が今日届きました。昨年は発行されなかったので、どうしたのかなと思っていたのですが、昨年は第一回小水力発電サミットがあったので発行しなかったということでした。ここで示され…

核燃料再処理からの撤退

今日の毎日新聞朝刊の一面トップに、核燃料再処理02年「撤退」、国と東電極秘協議、という記事が大きく出ました。東京電力と経済産業省双方の首脳が、2002年に青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理事業からの撤退について極秘で協議していたことが関係者の証…