蓄電池のアプリケーションが多様になっている。東芝が特性の異なるリチウムイオン蓄電池と鉛蓄電を組み合わせて、使い方に応じて最適な充放電ができる蓄電システムを商品化して2012年度中に発売するという。主にビルやマンション、工場向けで、蓄電容量が1ユニット10kWh。値段は500万円程度。リチウムイオン蓄電池は急速な充放電が可能だが高価。鉛蓄電池は安価だが、充放電の反応が遅い。この二つを一緒に組み込むのは結構ややこしい制御をしなくてはならないだろう。これからも長期に続きそうな電力供給能力の不足を考えると、このような組み合わせはこれからも出てくると予想される。昨年にはこのような商品が出てくるとは思いもしなかった。こういうシステムが普及すると、電力需要の変動が抑制されるので、現時点でも電力会社にとって有り難いのだが、将来このような蓄電システムから電力を買うということになってくるかもしれない。分散型電源の比重が高まるという新しい電力供給形態が予想もできなかった速さで具体化しそうだ。