効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■鉄鋼業の課題

社会基盤を支える中核となる素材である鉄を作る工程で、現時点では大量の石炭で鉄鉱石から鉄を作っている。従って、製造工程から排出される炭酸ガスの量は膨大とならざるを得ず、日本の製鉄事業は国内産業が排出する炭酸ガスの40%を占めている。この石炭を水素に置き換えることができれば大きく地球温暖化ガスの排出を削減できるのだが、その水素はまだ大量に生産される段階にはない。

ロイター通信が英字新聞に、新日鉄は製鉄用石炭の鉱山を新規に入手、開発しようとしていると、多少批判的な感じのする記事を出している。鉄の増産に向けて、原材料である石炭の輸入増量は避けられないのは確かだろう。鉄鉱石より、石炭の輸入量確保の方が重要だとのことだ。世界的には炭坑の新規開発が停まっている。そのため、原材料向け石炭価格は上昇する方向だ。2050年のゼロカーボン時代になっても、石炭の確保が難しくなっても石炭の使用をやめる訳には行かないというのが鉄鋼業の考え方だ。

現時点で新日鉄が怖れているのは、最大のバイヤーである中国の景気が悪化するのに加えて、欧米で中央銀行金利を上げ、日本の自動車の輸出が低迷することだとしている。鉄鋼生産量を高止まりさせることが現時点での経営姿勢で、それを反映して、炭坑の新規開発を継続する姿勢を維持している。この記事が、他国の石炭の消費量については全く触れていないのは理解できない。

 

 

 

 

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■フランスの貨物列車の燃料電池駆動機関車

ミネラルウォーターを販売するNestle Waters社は、同社の商品を無電化区間で輸送する貨物列車に、水素燃料電池の電力で駆動するエンジンを搭載する機関車で走行させることになったようだ。ドイツでは既に燃料電池列車(客車)が走っているが、そのシステムを構築したのはAlstomとEngie。Alstomはドイツの列車の燃料電池化を実現させている。この水素は再生可能エネルギーを使って生産されるグリーン水素で、Nestle Waters社の脱炭素経営戦略の具体化となる。2025年に走行を始める計画になっている。

この走行が実現すると、これまでこの無電化区間を走行していたディーゼルエンジン駆動の機関車に比べて90%以上炭素の排出を減らすことができるとのこと。年間1万トンの炭酸ガス排出を抑制できるとしている。Nestle Waters社は2018年迄、主力商品である飲料水ペリエを、生産工場のあるVergezeからFos-sur-Mer港までトラック輸送していたのだが、トラックは年間27,000台が使用されていた。これを2021年から貨物列車で輸送することにしたのだが、環境対応として、電気駆動とディーゼル駆動の機能を装備した機関車で牽引される貨物列車を利用してきた。これによって、炭酸ガスの排出を年間1,920トン削減できたと推計されている。この列車は製品の輸送と同時に、回収された空き瓶を工場に戻すのにも使われている。

Nestle Waters社は、2020年に、フランス内で排出する炭酸ガスを2022年迄に13%削減する経営方針を設定していた。同社によれば、2021年末までに11%の炭酸ガス5,900トンの削減をすることができている。Nestleグループは、世界の関連事業全体の炭酸ガス排出量を2050年までにネットゼロにする目標を示しているが、今回の燃料電池機関車の採用はその具体化の一環になる。この機関車を製造したAlstom社は、この方式を世界に向けて商品化しようとしている。

Alstom社の燃料電池機関車



 

 

 

 

 

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■高速道路沿いのEV向け充電設備の見通し

米国連邦政府や各州で、EV(電気自動車)の普及に向けた補助金や税制など促進策がとられるようになり、乗用車やトラックが急速に電動化すると予想され、それに対応する充電設備をどの程度高速道路沿いに設置すべきかのリサーチが行われ、レポートが出されている。ニューヨークとマサチュセッツ州の間を走るハイウエイで、現在の自動車の走行数や時間帯別の走行密度などを調査することによって、それが電動化したときに、どれほどの規模の受電設備が必要となるか、それに対応するだけの高圧線の送電容量の大きさなどを推計したものだ。

ニューヨークとマサチュセッツ州では、ガソリンのみで走行する乗用車の販売が2035年までに禁止されることになっている。これに自動車メーカーがどのように対応するかにも拠るが、ハイウエイをガソリン車とEVが入り交じって走ることになる。ガソリン車がどれほどEVに切り替わるかは消費者の対応も想定して推計しなければならない。EV向け充電設備への投資も、その変化に対応していなければならないが、それに並行してその充電設備に電力を供給する高圧送電線の容量を増強しなければならない。EVが急速に普及すれば、充電時間の短いものが設置され、蓄電池が付属するとしても、そこへの電力供給量は急激に増大することは確かだ。課題は、その送電容量の増強テンポ次第では、電力供給事業者が必要とする投資額も大きく変動する。

このレポートでは、一つの給電所が消費する電力は、屋外の運動施設に匹敵するものになるとしている。しかも、そこへの電力供給は、時間帯によって変化するEVの台数や、乗用車と貨物トラックの比率などによって変動するから、発電所の稼働もそれに対応しなければならない。EVの普及が遅ければ、充電設備や送電線への過剰投資が起こる可能性もある。

これは日本でも行うべきリサーチだが、政府にはその準備が出来ているのだろうか。

 

 

 

 

 

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■周回遅れの日本の再エネ導入

昨日は日本の産業の消費するエネルギーの再エネ比率について書いたが、今日は日本が再エネの導入についてどれほど世界から遅れているかを紹介した報道を紹介する。日本の再エネ導入が世界に遅れていることはいつも言われているが、自分で調べていなかったので、数字で具体的には把握していなかった。今日の報道によると、経済産業省は22日、2021年度の電源構成(速報値)を発表したようだ。年間の発電電力量のうち再生可能エネルギーの割合は20.3%と初めて2割を超えたものの、4割を超える欧州主要国や3割近い中国より低い水準だとしている。

原発の稼働が少ないこともあって、火力発電に大きく依存する構造が続いており、地球温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)排出量は20年度から1.2%増と8年ぶりの増加となった。21年度の発電電力量のうち化石燃料を使う火力発電が72.9%にのぼっている。燃料の内訳は天然ガスが34.4%、石炭が31.0%、石油が7.4%だった。火力全体では20年度の76.3%から低下したものの、なお7割を超える。原発の比率は稼働が増えたため20年度から3ポイント増えて6.9%になった。この比率が上がることは当面期待はできないし、原発の再稼働はすべきではないと思っている。

再エネは0.5ポイント増え20.3%になった。内訳をみると太陽光がもっとも多い8.3%で0.4ポイント増。風力は前年度と変わらず0.9%。水力は微減の7.5%だった。水力が減ったのは渇水があったのだろうか。発電電力量は全体で1兆327億キロワット時でと20年度から3.2%増えた。新型コロナウイルス禍から経済活動が回復して電力需要が戻ったためだ。火力の比率は低下したもののCO2排出量の多い石炭と石油の発電量が増えたため、エネルギーを起源とするCO2の排出量も増えた。排出量は東日本大震災後の13年度に12億3500万トンまで増え、その後は減少傾向にあるが、政府は30年度に13年度比46%削減する目標を掲げている。21年度は13年度比で20.7%の削減だった。この削減率を達成するには、洋上風力発電を急速に開発しなければ難しいだろう。

他の国と比較した表が報じられていたので添付する。

 

 

 

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■産業用エネルギーの再エネ比率

経済産業省は、自動車業界の使用電力のうち、太陽光などの再生可能エネルギー原子力による発電の割合を、2030年度に約6割とする目標を示すようだ。地球温暖化を招くエネルギーの消費を抑制しようとするものだが、この中に原子力を入れているのは、経産省の面目躍如たるものがある。来年4月に施行される改正省エネ法に基づく対応で、企業の脱炭素化の取り組みを加速させる。

自動車メーカーはプレスや完成車の組み立てなどの工程で大量の電力を使う。現在は石炭や天然ガスといった化石燃料による発電の割合が大きい。経産省は業界の30年度の「非化石電気」の割合を59%とする目標を示す。原子力発電の再稼働は見通しがたたないから、自動車メーカーが消費する電力に占める再エネ比率を急速に上げさせようとするものだが、その絶対量が多いだけに、自動車産業が牽引して再エネ発電量の急拡大をさせなければ、この比率の達成は難しい。おそらく新規の再エネ発電事業に自動車産業が参画する形で必要な発電量を確保する方向に向かうだろう。

改正省エネ法では、エネルギー使用量が原油換算で年間1500キロ・リットル以上の企業約1万2000社は、30年度の使用エネルギーに占める非化石の割合について、自社目標の設定が義務づけられる。経産省はまず業界の目標を示すことで、各社がこれに沿った対応を打ち出すよう促したものだ。

経産省は自動車以外に、セメント、鉄鋼、化学、製紙の4業種についても目標を示す。セメント業界では現在、非化石の廃プラスチックや木質燃料などの使用割合が21%だが、30年度の目標を28%とする。鉄鋼産業も主原料に石炭を大量に消費しているから、よほど効率的な操業をするか、生産プロセスを新規に開発する必要が出てくるかも知れない。

脱炭素に向けて積極的に取り組む姿勢を国として示したものだが、その具体的な方策は企業努力の成果にかかっている。ここで成功すれば、日本企業の開発した脱炭素技術はアジア諸国に大きな助けになるかもしれない。

 

 

 

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■廃食油をジェットエンジン用燃料に

廃食油を大量に回収して、ジェットエンジン用燃料にするプロジェクトが日本で始まるらしい。しかし、あの重量のある機体を持ち上げるのに消費される燃料がどの位廃食油で補えるのかと思っている。だが、報道によれば、丸の内地区の高層ビルに多数あるレストランから、集中的に廃油を回収すれば、その量がかなり大きなものになるので、それを取りまとめてジェット燃料に混入すると聞くと成る程という感じもする。

東京駅周辺にある23棟の高層ビルには350軒のレストランがあるそうで、ここからの廃油を回収すると年間150トンにもなるらしい。これを精製すると、130klのジェット燃料に変換することができるとのこと。これをジェット燃料に混入させると、通常のジェット燃料を10%削減できるということで、東京と大阪を105往復飛行させるだけの量になるということだ。

これだけを見ると、成る程と思うが、これを日本全体で行ったとしても、環境対応をしているというジェスチャーをしているだけではないか、とも言える。日本でも、いろいろな事業者が環境対応施策を経営方針に具体化させつつあるが、それが国全体にどのような効果を与えるかについての具体的な数字や比率が示されていることはない。経営姿勢を示すことにのみ力が入っていて、企業や国の施策として推進する環境対応になっているとは言えないだろう。政府は2025年迄に環境負荷を上げないジェット燃料の生産を始める方向に向かっているようだが、これをどのようにして産業対応として取りまとめるかの姿を見せてくれるのはいつになるのだろうか。

 

 

 

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■水素の輸送

再生可能エネルギーからの電力で水を電気分解して造られる水素は、その過程で炭酸ガスを排出する工程がなく、また水素を燃料に使えば、酸素と結合した水(水蒸気)が精製されるだけだから、合い言葉のようだが、グリーン水素と言われる。水の電気分解設備から製造される水素は、高圧圧縮する、あるいは、超低温で液化する、水素を吸収する素材に蓄積させるなどの方策がとられるが、その工程で何らかの形で電力、熱エネルギーを利用する必要があるために、その電力・熱の生成過程から炭酸ガスが排出されれば、折角のグリーン水素がブルー化することになる。既存の流通経路で輸送すると、輸送手段から炭酸ガスが排出されるだ可能性が高いため、再エネで作られる水素は、その現場で貯蔵し、タービンなり、燃料電池を使って発電するのが当然となる。

しかし、日本の場合、まだグリーン水素を大量に作れるだけの再エネシステムが構築されていない。人口密度が高いことも大規模な再エネ設備の建設に反対の意見が強い。洋上風力発電も、漁業との併存策が必要となることから、計画の推進には時間がかかる。従って、長期的に炭酸ガスの排出を削減していくのに、他の国に劣ることのないようにするには、水素を海外から輸入せざるを得ないのが現状だ。そこで問題なのが、どのような方式で水素を洋上輸送するかということになる。船舶で輸送するとなると、液状なり、固体にする方が、大量輸送に適している。それに適しているのが、MCH(メチル・チクロ・ヘキサン)。MCHは、トルエンに水素を付加させて作る液体であり、水素ガスと比べると体積当たり500倍以上の水素を含んでいるため、効率よく水素を運ぶことができる。この製造過程に必要な電力を、再エネの豊富な海外で利用すれば、グリーン水素を入手できる。

日本の宿命かも知れないが、グリーン水素を輸入するということは、エネルギー源を海外からの輸入に依存する体質から脱することが出来ないということだ。その体質を少しでも軽減するために、海岸線の長い日本列島で、洋上風力発電、あるいは、黒潮の流れを利用した潮流発電などを、コスト競争力のある形で導入拡大する必要がある。それを支える水素の大量輸入をどれほど効率的に行うかが課題となるが、MCH以外にも密度の高い液状なり固体の水素化合物の開発が必要になるだろう。

 

 

 

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