報道によると,宇宙衛星の観測データから、アメリカとメキシコを結ぶ天然ガス輸送パイプラインからかなりの量のメタンが漏洩していることが分かったそうだ。メタンは天然ガスの主成分だが、地球温暖化効果は炭酸ガスの20倍を超える。しかも、その漏洩箇所が一カ所ではなく、幾つかの場所にあり、しかも移動して居ると言うから厄介な話だ。
この記事を読んだときに思い出したのは、ロシアとヨーロッパを結ぶ天然ガスパイプラインからガスがリークしているのではないかというデータが示されたために調査したところ、そのメタンガスは,その地域に放牧されていた牛のゲップから出たものだと分かったという話だ。
天然ガス輸送パイプラインは世界を走り、高圧から低圧まで多様なのだが、そのリークを見つけるのは、パイプラインに沿ってガス検知器を転がして調べるしかなかった。だが、今では、前述の宇宙衛星という方式もあるし、もう少し狭い領域であれば、メタン検知機を積んだドローンを飛ばして見つけることもできるだろう。天然ガスパイプラインからのメタン漏洩をゼロにするのはかなり難しいことだが、漏洩量を出来るだけ少なくするように対応しなければ、地球温暖化が急速に進む可能性がある。
気候変動によって、日本では豪雨の被害があるが、南米では全く雨が降らなくなるというように、地域によって大きな差が出てくる。南米大陸のアンデス山脈にあるペルー南部とボリビア西部にまたがる淡水湖であるチチカカ湖の水位が大幅にさがっているようで、この湖に農水産業が依存している国が、今後どのような状況になるかが心配されている。この地域で観測された漏洩量は、一カ所だけで一時間に250~550トンだと想定されており、この地域全体で見ると、3時間で1,130~1,380トンに上ると計算されている。この漏洩の原因はまだ分かっておらず、誰がその責任をとるのかもはっきりしない。パイプラインはPermaca Pipeline EL Encinoが運用しているが、その全容が判明するにはは時間が必要なようだ。
天然ガスの輸送網は日本でも大都会を中心に張り巡らされている。そこでのガスリークの防止に難しさがあるのは確かだが、地球を守るために力を入れる必要があることは明白なことだ。
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