効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

テキサスの風力発電

米国テキサス州に導入されている風力発電は米国最大の規模となっている。しかもこの州の送配電網は他の州との接続規模が非常に少なく、融通を受けるのが難しい。これ以上風力発電を増やせば、どうしても気候条件で変動する風力発電の出力による系統への悪影響をなくするために、素早く出力を増やしたり減らしたりできる天然ガス火力発電設備の増設が計画されている。さらに電力貯蔵設備を強化することも計画に入っている。その検討過程で、テキサス州西部にある風力発電が、電力需要が少ない夜間に風が吹くことが多いのに対して、メキシコ湾岸では風が昼に吹くことが多いために、両方を合わせることで風の変化による出力変動を平滑化することも検討されている。また、メキシコ湾側に増設される風力発電は、既存の送電網に余裕があるために火力発電との連携がとりやすいのだそうだ。これからはメキシコ湾側に増設する方向に行きそうだが、その時に重要となるのは天候予測だという。風が風力発電設備の稼動に影響する前に、精密な天候予測をして、州全体の発電設備がそれに対応できるような系統管理をするのだという。日本でも風が強い地域は偏在するので、このような天候予測技術の開発が不可欠だろう。天候予測は太陽光発電の稼動にも重要な役割を果たす。日本では太陽光発電が先行して普及するようだから、太陽が顔を出すか出さないかという細かい地域メッシュ単位の予測技術を開発することの方が重要かもしれない。