効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大阪ガスが発電事業を拡大

報道によると、大阪ガス原子力発電所1基分にあたる100万キロ・ワット程度の発電能力を増強し、2020年度をめどに同社の国内の電力事業の規模を280万キロ・ワット程度に拡大する方針を出したようだ。この記事の見出しを眺めたとき、大阪ガスは電力会社以外の発電所としては国内最大級の泉北天然ガス発電所(大阪府堺市高石市)や風力発電所など約180万キロ・ワットの電源設備を持つので、数十万キロワット規模の発電設備を増設するのかと最初思った。しかしよく読むと、発電能力の増強は、現在同社の管内にある他社工場に設置されていて10万キロ・ワット程度になるコージェネレーション(熱電併給)など自家発電設備からの余剰電力の買い取りが柱になっているようだ。中規模の発電所新設も計画に入っているものの、停電時にも稼動を続けられるように改修したコージェネレーションの販売を促進しながら、新旧の自家発から買電する事業を始めると考えられる。電力会社以外のところが買電するのはまだほとんど例がないのではないか。知っているのは、青森にある風力発電からの電力を東京のビルが買い取る事例くらいだ。また、小規模の発電をするところが余剰電力を売るのも聞いたことがない。どのようなビジネスモデルになるのだろうか。
これまで、太陽光発電は例外として、小規模な自家発電設備に余裕があって、フルに動かせば余剰電力ができるところでも、これまで系統に余剰分を逆流させることを電力会社は原則的に認めていなかった。大阪ガスはどのようにして関西電力の送配電網を利用して買取ができるように交渉したのだろうか。関西電力の供給能力が長期に不足することがほぼ確定している今だから、受け入れられたのだろう。この事業は東京ガス他のガス会社でも始まるに違いない。分散型発電の規模が拡大する時代になったようだ。