効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

三井物産とトレス・アミガス

28日の日経新聞が報じ、同時に米国からの情報も入って知ったのだが、米国で大きく3つに分かれている送電系統を高圧直流で結ぶ、トレス・アミガスと呼ばれるプロジェクトに三井物産が投資をすることになったようだ。このプロジェクトには以前から注目していた。東部、西部、テキサス州の3地域をつなぐ送電網の容量は極めて小さく、不安定な風力発電の増加とともに、この3地域を大きな容量でつなぐことが必要になっていた。それをこのプロジェクトは、それぞれの地域間を高圧直流送電線で繋ぎ、米国内の東西南北間で自由に電力を行き来させることで、全米の送電網を一体化しようとしている。「計画では、全米で3つに分かれている電力系統を接続する大規模送変電所をニューメキシコ州に建設する。大容量電力ケーブルをそれぞれの系統とつなぎ、需要や価格に応じてITシステムで管理制御しながら電力を相互融通する。」と報じられているが、来年には着工されるようだ。そして、ここからの電力を購入しようとする電力事業との契約も成立し、プロジェクトの資金調達も順調なようだ。
三井物産は、それに投資という形で参画することによって、日本の電力関係設備と、IT制御技術を売り込もうということだろう。ここで得られる知見は日本の周波数変換設備の能力増強にも利用できる。トレス・アミガスの計画している高圧直流送電系統には、高温超電導技術と蓄電技術が広汎に採用されている。15年にまず東西の間を結び、ついで3つの系統に拡大すると報じられているが、これへのニーズがもっとも高いのは米国で風力発電がもっとも多く導入されて供給が不安定になっているテキサス州の送電事業のはず。三井物産が関係を深めることで、日本でもこの技術に対する関心が高まって来るだろうと期待している。