効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北極海

昨日奈良市内で、エネルギーと環境についてお話しさせて貰った。体調を崩して以来始めてのことで、医師からは許可を貰っていたものの、2時間の長丁場をこなすことができるか、自分でも若干心配しながらのことだ。体調を理由にお断りするタイミングを逸してしまって、大変なご迷惑をかけることになるのでそのままになっていた予定だった。椅子に座ってお話しできるように予め頼んであったのだが、それがうまくいかなかったため、結局1時間半立ったまま話をする結果となった。だが体調には何ら格別の変化もなく無事講演を終了でききたのにはほっとした。
その時に、地球温暖化が目に見えるものとして、これまで氷で閉ざされていた北極海が夏には水面が出るようになり、定期航路も計画されているということを、2003年10月3日の宇宙衛星写真と、同じ場所を今年10月3日に撮影したものを比較して見て貰った。10月頃は北極海がもっとも暖かくなる時期だが、2003年には水面など全くなかったのに、今では大きく水面が見えている。その説明の中で、ここに航路が開けることが、世界の政治経済に大きな影響を与える可能性があるということも付け加えたのだった。その裏付けのような記事が今日の日経新聞夕刊に出ている。中国の造船各社が、近年北極海の氷が減少しているのを受けて、寒冷地を航行可能な「アイスクラス」という特別仕様の船舶や海底掘削装置(リグ)の開発に相次ぎ乗り出したというものだ。アイスクラス船は航行中に流氷などがぶつかっても船体が痛まないよう通常の船よりも強い鋼材を使用し、船内の配管なども寒冷な海域を航行しても凍らない特殊なものとなっているそうだ。北極海を航路として利用する動きが拡大すれば、アイスクラス船の需要は今後高まる見通しだという。航路、資源開発、どれをとっても周辺国だけに止まらない問題だ。日本の造船業界にこのような動きがあるかどうかについては、触れられていない。
北朝鮮金正日総書記の訃報が同じ夕刊の一面トップ。これも今後の国際政治の動向を大きく左右するものとなる。後継者がどうなるかなどまだ見えないことが多い。