効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

西日本の電力会社が風力導入へ協力体制

供給される電力の周波数が60ヘルツである西日本にある電力会社、中部、北陸、関西、中国、四国、九州の6社が、各社の供給区域をつないでいる地域間連系線を活用して、風力発電の導入を拡大することで合意したと報じられている。これから急速な拡大が見込まれる、というよりは、見込まざるを得ない風力発電について、風の吹く、吹かないで変動する出力の調整力の余裕がなくなる会社から、連系線を介して電力を送電し、広域で調整力を確保するのだ。いつこの方向に向かうのかと思っていたが、九州電力原発が全部停まったために、これまで毛嫌いしてきた風力を導入せざるを得なくなった現状へ、前向きに対応するものだということで、日本のために歓迎すべきことだと思う。まず実証試験として、北陸、四国という発電規模が絶対的に小さな区域から、系統容量が比較的大きな中部、関西へ送電し、これから風力発電が導入される北陸、四国が必要とする調整力を確保する制御を行う。スマートグリッドの具体化だと言える。
2010年度末現在で、北陸電力は一般枠15万キロワット、変動が電力会社の対応力を超えれば切り離せることを条件とする解列枠10万キロワット、四国電力は一般枠20万キロワット、解列枠5万キロワットのいずれも25万キロワットの風力連系可能量を持つ。これに対する既連系分は北陸が14万6千キロワット、四国が17万キロワット。四国では契約済みの6万キロワットが今後連系する予定となっている。この2電力会社の地域から中部、関西へ送電することで、北陸、四国の風力発電導入量をそれぞれ20万キロワット程度拡大することを目指すそうだ。これが順調にいくことが確認されれば、両社の空き容量に見合う風力発電事業の募集受付が行われる予定になっている。北陸と中部の間には30万キロワット、関西と四国の間には140万キロワットの高圧直流送電線があり、連系制御は交流よりやりやすい。北海道も含めた東日本ではこの合意はすでにできている。