効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

木質バイオマスからバイオエタノール

NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構)が最近発表した情報によると、木質バイオマスから効率よく低価格で生産する技術を確立するために、広島県呉市にある王子製紙株式会社呉工場内に国内最大級の試験用パイロットプラントを建設して実証試験を開始するそうだ。これは「セルロースエタノール革新的生産システム開発」の一環として行われるもの。バイオエタノール再生可能エネルギーであって、世界的に航空用燃料などにも採用されつつあるが、その原料が食料となるサトウキビやトウモロコシであるものが主流となっていて、食糧危機の観点から大きな問題だと考えられている。木質系のものを分解してエタノールにするのは技術的には可能であるが、そのコストが大きいのが障害だった。これを栽培から収穫、運搬、貯蔵、糖化、発酵、蒸溜までを一貫させてバイオエタノールを生産する技術を開発しようというものだ。もし競争力のある価格で生産できるようになるとすれば、日本の農林業が抱えている多くの問題を解決する有力な方策となる。食料と競合しない、未利用の樹木の枝や葉、製紙用原料として利用できない残材、短期伐採した早生樹などを活用するとNEDOの資料にはあるが、稲わらや間伐材、廃材で化学汚染されていないものなどを対象にすることも可能だろう。奈良県南部にある大森林が、大きなエネルギー源となりうる。この技術を他に先駆けて実用化できれば、世界に売ることができるだろう。早期に開発を進展させてほしいものだ。