効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■健康食品・サプリのネーミング

知り合いで東京在住の消費生活アドバイザーが、つい最近発刊された労作の自著「健康食品・サプリ そのネーミングにだまされていますよ」をわざわざ郵送してくださった。消費生活アドバイザー一期生で、消費者問題についての経験豊かな方。他に「そこが知りたい 台所の家電製品から洗剤まで」など幾つかのご著書がある。

私のような一般消費者が商品、特に健康食品やサプリメントなどを購入するときには、商品名と、それに示された効能と評判を頼りにせざるを得ない。印象だけで決めていることが多いだろう。本書では、その表現に誇大表示、極端な場合には虚偽表示に近いものある、それもかなり多いということを述べている。実在の商品と製造販売企業を実名で示し、商品に表示されている内容を詳細に調べた後、その企業だけでなく、その商品の素材や表示に関わる役所の担当部局の担当にも、問い合わせ確認をして後、商品のネーミングの良し悪しを判断している。対象となっている健康食品・サプリは、新聞広告などでもお馴染みのものもある。青汁、野菜ジュース、黒酢などだ。本書で取り上げられた商品は、その販売にも影響を与える可能性があるかもしれない。ただ、競争市場で同種の商品を売る企業の立場からすれば、嘘とならない範囲で魅力的な商品名や効能を示すのは当然のことだとも言える。その行き過ぎに対する警鐘を鳴らし、ネーミングだけで判断して使用する意味を消費者に理解させようとしているのが本書だろう。

記述は当たりの優しい表現で読みやすいが、その内容、特に分析の経過部分を理解できるかと言えば、なかなか難しい。導入部と結論評価部分だけを読むほうが良いかもしれない。

自分はこれまで、健康食品・サプリメントは魅惑的ではあったが利用したことがなかった。しかし、いま利用している人はかなり困惑するのではと思う。満足感は大きく下がるが、口にすれば有害だということではないために、継続するか、他のものに切り替えるか、止めるか、判断し難いだろう。さらに言えば、マーケティングの重要要素であるネーミングの競争は続き、それによって満足感を得る消費者は幸せなのかも知れない。

本書は、消費者よりも、お役所の消費者問題や表示規制担当者、企業のブランド作成部門の教育に有効なもののような気がする。

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