原子力発電は頻繁に出力制御をすることが難しいため、電力需要が落ち込む深夜には、発電電力が余剰になってしまうのを防ぐために、揚水発電で水を上のダムに送って電力を消費させる。しかし、それでも消費量が十分でないこともあるために、安い深夜電力料金制度を作って需要を喚起したのだった。ところが、稼働できなくなった原発が増えたために、深夜の電力需要を喚起する必要性がなくなるのは必然だと思っていたが、その第一号として九州電力が深夜電力料金の見直しをすることになったようだ。
九州電力は13日、夜間の料金を安くしているオール電化の家庭向けの7プランで料金を見直すと発表したと報じられている。近年は太陽光発電の自家消費などで昼間の電力需要が減る一方、電気給湯器の普及などで夜間の需要が増えている。九電は料金改定で対応するということだ。見直しの対象は、昼間は料金が高く、夜間は安くなる「季時別電灯」や「時間帯別電灯」などの7プラン。季時別電灯の場合、昼間は1キロワット時あたりの単価を2円引き下げる一方、夜間は1.4円引き上げる。深夜に電気を使う電気給湯器などに対する割引制度も廃止する。
これを深読みすると、太陽光発電で生まれる余剰電力を消費して貰えるよう、電気給湯器を昼使って貰い易くする目的もあるように思える。電気給湯器を昼作動させてくれれば、改訂後の易くした電気料金をさらに安くする、などの条件設定がやりやすいからだ。スマートメーターが普及すれば、電気給湯器にメーターからの電波を受けてスイッチが入るような設定も可能になるから、この方式に需要家が同意しやすくできる。深夜電力の契約件数は計約120万件とのことだから、この1割が昼に稼働してくれたら、太陽光発電の発電を調整する必要度は大きく下がるかも知れない。
これを皮切りにして、他の大手電力会社も同じ方向に向かうと感じている。
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