効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■系統指令によって作動する電気温水器

 ハワイ電力は、Shifted Energy社と、系統を安定化できるように制御できる電気温水器を取り付ける契約を結んだということだ。これは北米で、Software As a Service(サービスとしてのソフトウエア)という事業を行っているOpen Access Technologies Internationalが提供する系統管理サービスを購入する契約を結んだことの一環となる。太陽光発電が急速に普及しているハワイでは、ハワイ電力管内の需要家からの電力が系統に流れる量が大きい、あるいは、需要家の電力需要が全くなくなるというケースが頻発し、極端に言えば、ハワイ電力の発電所を全部止めても電力が余るという状況に近づいているということだ。この状況を緩和するために、Shifted Energy社は、系統に接続される電気温水器で稼働を外部から制御できるものを2,400基設置する。

 2020年から5年の契約で、系統接続で外部から作動制御される電気温水器が設置されると、2,500kW規模のVPP(仮想発電所)が構築されることになるとのことだ。この規模は世界でも最大規模の制御可能な電気温水器の設置となる。ハワイ電力の送配電系統を流れる電気の周波数や電圧が変動するのを極力抑制する、いわゆるアンシラリーサービスを提供できることになる。これはハワイ電力からの系統指令で温水器のスイッチが入ったり切れたりすることによって、系統全体の電気の流れを円滑にし、太陽光発電からの電力が溢れるのを、ゼロにはならないまでも、少なくしてくれる。それによって、太陽光発電の利用量を大きく増加させることができる。この契約のコストはこの情報には示されていないが、ハワイは石油を本土から運んで発電するために発電コストが高いことから、事業性が出るのだろう。

 同じような試みは、九州電力四国電力東北電力などの送配電部門で実施されても良いだろう。現在何基のエコキュートが設置されているかが分からないが、これが系統指令で作動を制御できれば、これまでであれば安い深夜電力を使って温水を作っていたのを、休日が快晴になったりして太陽光発電から大きく増える電力を安く使えるようにすれば、消費者も満足し、現在行われているような太陽光発電の一部停止件数を減らすことができるだろう。このような発想に日本はまだ動いていないのだが、ハワイ電力の実績が示されれば、同じ方式が日本でも導入されることとなるに違いない。

-------------

猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

試してみようと思われたら、ここからご購入できます。