効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

エコキュートの販売状況

日本冷凍空調工業会が昨日発表したところによると、エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ式給湯機)の累計出荷台数が6月末現在で600万台を突破したということだ。2001年に世界で初めて商品化されたものだが、床暖房も行える多機能型や省スペース型といった様々な特徴を持つ機種が登場し、17年ほどかけて600万台に達した。給湯器周辺の空気の温度を熱源にして水を温めるため、効率の指数であるCOPが2〜3と高いが、気温が下がると効率が下がり、極低温では作動できなくなる。最近では北海道でも使えるものも開発され、北欧などからも注目されているようだ。日本の家庭で消費するエネルギーの約33%を占める給湯分野で熱効率を大きく向上させている。開発された頃には、深夜電力を利用する給湯器として販促されていた。安い深夜料金を使えるために市場から受け入れられたのだが、電力需要が下がる夜にも原子力発電の稼働を維持するというのが電力会社の意図だった。今後このような電気ヒートポンプ給湯器が、太陽・風力発電といった天候によって出力が変動する電源が送電系統を不安定化するのを防止する役割も果たすようになるだろう。多くのエコキュートが、系統運用組織からの指示によって稼働したり停止したりして電力需要を増減して系統を安定化するのだが、既に取り付けられている機器にはこの指示を受ける機能が付いていないのにどう対応するかがこれからの課題だろう。自然エネルギーの普及を促進する効果があるということから、今後の新設機器には外部からの指令を受信する機能を持つことが義務づけられるだろう。その指示を受け入れるとそれに対する報酬が得られる(電気代が割引になる)ことになる。デマンドサイド・マネジメント(需要応答)の一部を担うことになる。