効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東西直流連系線の増強

エネルギー消費の効率化を述べた私の論が、NPO法人国際経済環境研究所のコラム欄に掲載された。
http://ieei.or.jp/2013/01/column130131/
この研究所のホームページで見ると、一つの立場にとらわれない論考が出されているようだ。時々訪問してみると、参考になる論を知る機会があるだろう。
東日本(50ヘルツ)エリアと西日本(60ヘルツ)エリアの電力融通可能容量を120万キロワットから2020年度を目標に210万キロワットまで増やすことが電力系統利用協議会から提言されたようだ。ここの連系容量の小ささは、日本全体の電力供給を円滑に進めるために大きな障害となっているものだ。しかし、210万キロワットが想定できるもっとも望ましいものかどうかが分からない。この2倍の目標値でも良いように思える。また、その増強コストを1320億〜1410億円と試算し、その全額を託送料金で回収することとしている。託送料金への影響は、1キロワット時当たり0・012〜0・013円。建設コストの内訳は、FCと変電所関連に750億円、送電線に570億〜660億円となっている。この数値の妥当性と、建設コスト全てを託送料金で回収するという方式が妥当なのかどうか、さらなる検討が必要ではないか。海外のコスト事例も示してほしい。
おそらく変電所設備の建設にはこれから10年以上もかかることはあるまい。変電所までの送電線設置のために設置コースの地域から合意を得るのに時間がかかるのだと思う。コストも重要だが,現在の電力供給の不安定性が長く続く可能性を考え、全国の発電設備の有効利用を図るために、建設期間の短縮ができないかをさらに検討すべきだと思う。素人の発想かもしれないが、既存の送電線の送電容量を大幅に増やす方法はないのだろうか。それが可能なら、地域の合意も得やすいと思うのだが。