効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

周波数変換容量増強

経済産業省は6日、周波数の異なる東日本と西日本間の電力融通能力を現在(最大120万キロワット)の約2.5倍の300万キロワットに拡大する案を示した。1月に電事連が提案したのは210万キロワットへの拡大を2020年までに行うというものだったが、それを原発一基分に相当する90万キロワット分を増やすことになる。これには相応する建設コストがかかるから、多いほどよいというわけにはいかないだろうが、その建設コストについては、先の電事連が示した210万キロワット増強に1320億円から3550億円が必要という数字しかない。この数字の妥当性も具体的に行わなければならない。それを誰がやるか、そして、建設コストを誰が負担するかを決めなければならない。報道によると、90万キロワット追加の費用が数千億円規模に膨らむと言うが、その根拠はどこにあるかは示されていない。負担するのは国か電力会社か、これも明らかになっていないが、日本全体とすれば、電気料金と税金で負担を分け合うより他に方法はない。この増強は日本全体の電力供給を安定化するために必要な喫緊の課題であるだけに、政府主導で早く決断すべきだろう。地域の受け入れ合意も必要だから早く工程表を作らなくてはなるまい。その時には、周波数変換設備だけでなく、北海道と本州を結ぶ連系線の容量増加も検討すべきだ。この連系線は、1月に一部が船の碇に引っかけられて損傷を受けていたため本来60万キロワットの容量が半分になっていた。損傷部分の交換修理を終わったはずのところが、一回線で絶縁油の漏えいが見つかったため運用を再び停止し、容量は30万キロワットのままに残されている。いつ元に戻るかは不明だというから、北海道電力の安定供給に不安が続くことになる。苫小牧火力発電所(出力25万キロワット)が故障で6日にボイラー漏水で停止したそうだから余計そうだろう。この増強が実施に移されたとしても完成には数年かかるから、即効性はないのだが、だからといって決断を遅らせればいろいろな面で後悔することになるのは間違いないことだ。