効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

北海道、苫東厚真発電所 完全復旧 2号機が再稼働

9月6日に北海道で起きた大地震で、総出力165万キロワットの苫東厚真発電所が停止し、夜でもあったために総電力需要の半分ほどを供給していたために、電力の周波数に大きな変動が起き、自分が壊れるのを防ぐために、他の発電所も停止。北海道全域が停電(ブラックアウト)した。同発電所は建設してから30年ほどになる旧い設備だから、地震による故障もあるが、タービンの振動などで破壊を防止するために停めたということもあるだろう。当初4基あったが、3号機が設備不良で廃止され、1,2,4号機が稼働していた。たまたま大きな地震が起きたのが直近であったのが災いして停止してしまったのだが、これを北海道電力の責任だとするのは過酷な批判だろう。1,4号機が思ったより早く再稼働し、損傷が大きかった2号機が再稼働したのは、当初の予想よりはるかに早いものだ。北電の努力を多としたい。泊原発が停止していなかったらブラックアウトは起きなかったという論調もあるが、原発は震度4で自動停止するし、周波数が大きく乱れれば停止したはずだ。火力発電ならば、故障がなければ再稼働は早いが、原発の場合には安全の余裕を見て短くても数日はかかるはずだ。泊原発が稼働していても長期ブラックアウトを防ぐことは出来なかったと考えるべきだ。
苫東厚真発電所は石炭火力だから、出力を上下させにくい。だから、周波数変動を抑制するのは石油、あるいはガス火力になる。北電にはこれが少ない。苫東厚真発電所も老朽化しているから間もなく廃止しなくてはならない。それに代わるものは、ガス火力だろう。LNGの輸入基地も出来たから、対応はできる筈だが、周波数変動を起こす要因として、導入量が増えてきた風力・太陽光発電がある。これへの対応には、大型蓄電池もあるが、電力需要の制御の方がコストは低いはずだ。また、いま60万キロワットの北本連系線を90万キロワットの増強する工事が行われているが、これでもおそらく本土からの電力融通による周波数変動抑制には不十分だろう。今回の原因究明はともかく、北海道のブラックアウトによって、日本全体の電力供給の問題点が浮き彫りにされた結果、長期的に見れば、日本の電力供給体制の健全化に貢献したことになる。