効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スマートグリッド、スマートメーター

電気新聞が次のように報道している。
双方向通信機能を備えるスマートメーター(次世代電力量計)の本格普及に向けた機運が高まってきた。経済産業省のエネルギー基本計画骨子や環境省地球温暖化対策行程表案でもスマートメーターの導入拡大を急ぐ方針が示されている。背景にあるのは鳩山政権の意欲的な温暖化防止政策。太陽光の大量導入を見据え、電力の供給側と需要側の調整を図る「頭脳」としてスマートメーターを活用したい考えだ。スマートメーターのとらえ方に政府との温度差はあるが、電力会社も相次いで本格的な実証試験に乗り出している。
また今日の日経新聞も、「経済産業省は8日、次世代送電網(スマートグリッド)の大規模な国内実証実験を今年度から横浜市豊田市(愛知)、北九州市関西文化学術研究都市(京都など)の4カ所で開始すると正式に発表した。同日午前に開いた「次世代エネルギー・社会システム協議会」で公表した。次世代送電網の本格的な実証実験は国内で初めてになる。2014年度までの予定で、経産省は総事業費約1000億円を見込んでいる。」と報じている。
日本も本格的にスマートグリッドスマートメーターの開発に乗り出したように読めるが、おそらくそれは虚像に過ぎないと思う。電力事業に言わせれば、日本の送配電系統は十分スマートだからスマートグリッド(次世代送電網)を新たに取り入れる必要はない。スマートメーターも、これによって消費者が電気の消費を抑制すれば売り上げが減るから、本音の所では本格的な普及はさせたくない。しかし、世界でスマートグリッド関連ビジネスが拡大する中で、日本としても何かやっておかないと、日本の電力関連メーカーなどが売り込みに行けないので、政府として形を作ろうとしているということだろう。スマートグリッドの一番重要なことは、できるだけ多量の自然エネルギーを導入できる送配電系統を準備すると言うことだ。しかし、日本の電力事業はそれを積極的に推進しなければならない理由がない。原発の増強ができれば自然エネルギーは必要ないという考えだろう。2014年まで実証試験をやっていれば、ビジネス展開が完全に後れをとることを考えれば、これらの報道はジェスチャーに過ぎない。