効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

地域のスマートグリッド

日経新聞が報じるところでは、福島県会津若松市20日、次世代送電網(スマートグリッド)を市内の100戸に導入すると発表した。公立大学法人会津大や地元のITベンチャーなどとシステムや機器を開発。来春までに稼働させ、大規模なエネルギー制御システムの整備に備えるという。総務省の「スマートグリッド通信インターフェース導入事業」に選ばれて9千万円の補助を受け、計2億7000万円の事業費を見込み、10月までに設計・開発を終え、年内に機器を設置。来年3月までに試験を経て稼働させるという手順になっている。だが、これはスマートグリッドというよりも、マイクログリッドの発展形としてのスマートコミュニティーだと考える方が妥当だろう。電力会社や全体の電力供給網(グリッド)との相互情報交換をしてデマンドレスポンスを可能にするのではなく、100戸を取りまとめての電力ピーク負荷平滑化、エネルギー効率の向上を図り、電力会社にとって負荷変動の少ない地域にするということのように見えるからだ。スマートグリッドの構成単位ではあるが、これ自体がスマートグリッドではないと思う。マイクログリッドだと考えたとしても、その究極のシステムにしようとすれば、100戸相互を接続することができ、それを独自に制御できる電力網を、既存の系統とは別に設置することを考える必要がある。その場合、現在の電気事業法でこのような接続方式が、特に戸建て住宅やビルを対象にした場合、受け入れられるのかどうか疑問だ。このような実証実験が行われる地域が増えている今、新しい接続基準の準備が必要だろう。