効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大和川がワースト1返上

大和川は日本一汚れた川として知られてきた。奈良県桜井市に源を発するだけに、いつも気になっていた。このほど国土交通省近畿地方整備局のまとめで、水質の観測が始まった1963年以降、最高の水準にまで改善していることが分かったという。流域の自治体が取り組んできた生活排水改善の効果が出たと見られ、コイやフナなどの淡水魚が生活できる水質になっている。国交省が毎年公表する1級河川の水質ランキングで、大和川は77年に初めて全国ワーストと認定され、07年まで3年連続で1位。08年調査の結果を07年に当てはめると、綾瀬川(関東)、中川(同)に次ぐ3位となる。
それでも3位というのはあまり自慢できるものではない。しかし、その汚れでありながら淡水魚が住めるというのだから、他の川の水質はかなり良いということだ。大和川の流域には下水道がまだ普及しておらず、生活排水がそのまま放流されているところがまだ多いのだろう。下水道の普及には自治体の負担が大きくなるとともに、下水処理した後に残った汚泥の処理にお金もエネルギーも必要となる。この汚泥をメタン発酵してエンジン、タービン、燃料電池で発電し、排熱を発酵槽の温度維持に使うシステムが設置されるようになっている。汚泥はバイオマスとして、カーボンニュートラルな燃料とされるため、地球温暖化対応の一つの方策として評価されているわけだ。都市ガスの供給ラインが近くにある場合には、それに混入させる試みもなされている。それによって下水処理のコストをある程度補うことができれば良いのだが、発電設備に必要な投資額が必ずしも安くはないために、どうしても再生可能エネルギーとしての補助金がなければ収支がとれないのが実情だ。
大和川が流域自治体の努力で水質改善がもっと進むことを期待している。昔は泳げる川だったのだから、それに近づいてほしいものだ。