効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

水清ければ

最近の河川の水質が、下水の処理設備能力が高くなったことで良くなったことを喜んでいた。お陰でサケや鮎が戻って来たとゆうような報道記事を目にしていたからだ。だが、今日の新聞で、川の汚染処理が進みすぎて、海藻の生育に必要な窒素分などが水に含まれる量が減りすぎて、海苔の収穫量が落ち、結果として、焼き海苔などの価格が高騰していると知って驚いた。水質改善が進んだ半面、海水の栄養が不足して育ちが悪くなり、生産量が落ち込んでいるということだ。店頭で「のりなし」のおにぎりを増やす試みも出てきたという。生産地では養殖シーズンの冬場に海水の栄養を取り戻すため水質を維持しつつ下水処理能力を落とす取り組みも進んでいるらしい。漁業・養殖業生産統計によると、海苔の養殖生産量は1994年の48万3千トンから2016年は30万トンと4割近く減少。水産庁は生産者の減少に加え「海水の栄養不足で生育不良を引き起こしている」と指摘していると報じられている。海苔が育つには海中に含まれるリンや窒素などの「栄養塩」が必要。しかし下水処理能力の向上で海中の栄養が減ってしまったためらしい。まさに、過ぎたるは及ばざるがごとし、の典型的事例だろう。各地の下水処理場の稼働方法が変化し始めているという。ノリ生産1位の佐賀県。県全体で不作が続いたため佐賀市は県内で先駆けて07年に生産シーズンの冬場は水質基準内で下水の処理能力を引き下げる取り組みを導入した結果、海苔の収穫量が大きく伸びたというし、瀬戸内海でも同じ方向に向かっているらしい。環境問題への対応にはバランス感覚が必要なのだろう。