今日少し早めに家を出て、大阪の地下鉄千代田線南巽駅の近くにある、大阪市の平野下水処理場へ足を運んだ。近畿経済局が企画したもので、下水汚泥の炭化プロセスを見せて貰う見学会。初めて足を運ぶので道を尋ねた人がいい加減な道を教えてくれたので、とんでもない大回りとなり、10時半の開催時間になんとか間に合ったのは僥倖。
これまで、下水汚泥の炭化処理は理屈としてはある程度理解していたのだが、設備の実物を見るのは初めてだった。最初の説明で知ったのだが、大阪市内に幾つかある下水処理場からの汚泥を輸送する地下配管があって、もうすぐ、それがループ状になるという。各処理場からの汚泥を相互輸送して処理量の均等化を行っているのだろう。処理プラントは自分が想像していた規模を遙かに超えて、規模の大きい化学プラントのような感じだった。汚泥を加熱乾燥し、20~30%の水分にまで処理した後、高温で回転する炉の中で炭化させる。その時に、細いチューブから麺のように押し出した乾燥汚泥をちょん切ってペレット状にし、回転する炭化炉でカーボン化する。それはカーボンニュートラルの燃料として、近くにある石炭火力発電所で石炭に混入される。
システムはPFI(プロジェクト・ファイナンス・イニシアチブ)で建設運用されているため、大阪市はこの分野に熟達した事業者に最初から資金調達を含めて建設・運用まで全て任せ、完成した後に事業費を支払う形をとっている。だが、運転開始の後暫くは操業が安定せず、設計にミスがあったのではないかと言われることもあったとのこと。その後トラブルは急速になくなり、安定した操業を続けているということだ。2014年の運用開始から20年の運用、維持管理を事業者(バイオコール大阪平野)が受け持っている。ここでできた炭化燃料の売却にも大阪市は関係していない。
汚泥処理といえばメタン化もあるので尋ねて見たら、メタン発酵設備も設置されていて、そこからのガスを炭化システムに必要な加熱に使っているとのこと。不足分は大阪ガスからのガスで補って加熱している。
http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000141050.html
で概要が分かるようになっている。
今回の見学の後、午後2時から上本町近くにある大阪国際交流会館で、バイオマス利用のセミナーも準備されていて、それにも参加してきたが、そこで自分のバイオマス処理に対する知識の浅薄さを思い知らされた。奈良県でバイオマス利用を促進するとしても、太陽光発電のように単純には行かないと言うことがよく理解できた。