効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本は米国に引きずられるかも

E Sourceの会合から帰って日本の新聞を読んでいると、日本のエネルギー・環境政策が今のレベルで推移するとすると、米国の政策の変化についていけなくなり、地球温暖化対応についても米国に引きずられるのではないかと思える。米国の州政府や企業が、具体的な目標を掲げて炭酸ガス排出抑制をしようとしており、日本のように企業が拘束力のある上限値を課されるのを逃げ回っている間に、米国では官民ともに、EUの指向する環境施策に近づいていくのは確実だろうと感じる。
京都議定書から脱したブッシュ政権も、来年の大統領選挙を控えて、環境政策で世界をリードできるようなポジションをとろうとしていることは明らかだ。日本はといえば、内紛的政治状況にあって首相が出席できなかったこともあって、国連の環境会議でリーダシップを示すことはできなかった。ブッシュ大統領は巧妙に動き始めている。そうしないと一般市民からの支援を共和党に得られなくなると思い始めているからだ。
日本の環境対応技術は世界でトップだと日本人は信じていて、その技術を世界に売り込んで排出権を得ようとしている。ところが、環境関連技術は必ずしもハイテクではなく、欧米諸国の環境関連企業でも同じことが出来る。大きな違いは、欧米企業はそれぞれの属する国の政治力を使って中国やインドに環境技術を売り込んで行くということだ。日本政府がそのような政治力を発揮できるとは思えない。また、日本は政府も企業も温暖化ガスの排出権を獲得することにやっきになっているが、排出権だけで京都議定書の目標を達成しようとする姿勢は必ず強い批判にさらされるようになるだろう。自国内でも目に見える形の炭酸ガス排出量削減ができなければ、欧米に見られる再生可能エネルギーの利用拡大を前にして、国際社会で発言力を失うのではないかと心配している。