効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭菜園

家庭菜園を始めた友人から、昨日の本欄にメールでコメントがあった。驚いたことに自慢の庭をつぶして20坪ほどの畑にしてしまったそうだ。退職後の生活をミニ農家として過ごすつもりらしい。生ごみを使ってコンポストを造って肥料にし、農薬を使わないようにして野菜つくりをすれば、これほど安心なものはない。雨水を貯める設備も取り付けてあるそうだから、えらく環境づいたものだ。彼のメールの一部を紹介すると、「断然安心で美味。千里の住宅地ではまだ、庭での家庭菜園は一般化していませんが、なにか、きつかけがあれば将来大ブ‐ムになるのではないかと思っています。環境問題と食料問題の解決に最も身近なところにあり、特に地方の住宅地居住者のおおきな魅力だと評価されるようになると一極集中問題の解決にすこしは役立つかも知れませんね。」とあり、食の安全に敏感な都市居住者が増えると、高くても有機栽培野菜などを求める人と、一部でも自分で作ろうとする人が増えるだろう。
確かアースポリシー研究所のレスター・ブラウン所長も、都市地域におけるミニ農業が環境問題にとっても、食の新しいソースとして重要になると指摘していたと記憶している。ただ、食品を全て自給自足というわけには行かないのが都市住民の弱さだ。ここで食品の安全をその生産の源から辿るためのシステムが必要になってくる。いわゆるトレーサビリティーである。食糧生産の段階から第三者機関による査定を受けて安全であることを確認し、それが加工され、他の食材と組み合わされる場合にも、全ての食材の出所を確認できるようにする。これには当然コストもかかる。それがどれくらいになるかは問題だが、IT技術を利用した履歴を記録できるICタグが広く使われれば、システムとしては可能だろう。ICタグの値段も急激に下がりつつある。
だが、最近の中国からの食糧や、まぜものの肉を高品質の肉として販売したような羊頭狗肉がまかり通らないような制度の基盤が整備されなくてはならない。どこまでこの制度の信頼性を高めるかがさらに大きな課題である。その意味では、地域に居て顔の見える農家や食品製造事業者から食品が購入できるような、地産地消システムを地域住民で育てることも一つの方策である。スーパーでも、地域の農家の写真を添えた野菜売り場が見られるが、本当にその農家が作ったのかどうかを確認できるシステムが必要になるだろう。
この考え方を広げていけば、少し飛躍があると言われるかもしれないが、分散型エネルギー、特に、太陽、風力、生ごみや畜産廃棄物をメタン化するなどのシステムを使ったエネルギーの地産地消の実現性も高まるに違いない。