効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

バイオエタノールの弊害

バイオエタノールは、ガソリン代替の燃料として使われ、地球温暖化抑制に貢献するとされている。米国ではトウモロコシから、ブラジルではサトウキビから作られる。両方の植物が生長する時に空気中の二酸化炭素を吸収するが、燃料として使われる時にはそれが大気に戻されるだけだからカーボンニュートラルと言われている。いわば、炭素のリサイクルだ。
米国では自動車用ガソリンの10%にエタノールが入っているが,車の消費する燃料の量が多いために、トウモロコシの作付面積は大きく、補助金も得られるので,他の作物栽培から転作する農家も増大している。米国で生産されるトウモロコシの40%がエタノール向けだから、食糧生産を犠牲にし、飼料価格を押し上げているといわれるのだ。
ブラジルの場合のサトウキビは食糧ではないからこの批判は少ないが、栽培地拡大で森林面積が少なくなるとされる。ブラジルの自動車はエタノール100%の燃料で走っているから、地球環境対応が進んでいるとみられてきたが、別の問題が出ているという報道を見た。バイオエタノール燃料を使う自動車の排ガスに、スモッグの原因となるNOX(窒素酸化物)が大量に含まれているというのだ。最近の調査で分かったそうだが、実際にサンパウロの大気組成を調査した結果だという。地域特性の影響もあるから早急な結論はできないと、この調査をした学者は警告してはいるが、世界的にもバイオエタノールによる環境汚染の問題を指摘する研究もあるようだ。日本でもエタノールの混入がテストされているが、温暖化ガスの排出抑制はできるかもしれないが、地域の大気環境への影響も研究しておく必要があるようだ。