効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■オーストリアの水力発電と気候変動

オーストリアは発電電力の60%以上を水力発電に依存している。世界の平均では16%だから、その依存度の大きさが分かる。だが、最近の地球温暖化の影響で、ダムの水量が減少傾向にあり、危機感を抱いたオーストリア政府は水力発電用のダムの増設に向かっている。地球温暖化という意味からすると、アルプスの氷が溶けて河川の水量が増えそうに思えるが、EU水力発電量は2020年の45TWhから2021年には42TWhに減少している。貯水量が大きく減っているのだ。

オーストリアもロシアから天然ガスを輸入してきたが、それも影響してか、歴史上初めて隣接国から電力を輸入する事態となっている。これに対する危機感から、揚水発電所の建設に踏み切ったようだ。アルプスの麓に地下埋設の揚水発電所を建設する大規模な工事が進められている。電力需要のピークに対応出来るように、2025年迄に稼働させる計画になっている。揚水発電方式にした一つの要因が、降雨量に変動が多くなったのを平準化するためだ。この2年間、欧州諸国と同様に干魃に襲われている。

干魃が続いたために、記録を取り始めた100年前から見て、オーストリアでは最低の水位が続いている。この状況は欧州一帯で現在見られる現象だと言われている。工業化社会になる前から見て、欧州の気温は昨年2.3℃高くなっている。アルプス山脈の氷河が溶ける量も急増している。新規の水力発電所のダムの建設には、大量の樹木を伐採する必要があることから、建設に反対する人も少なくはない。工事関係者は、ダムの建設は最小限にし、太陽光や風力の利用も拡大するとしている。

オーストリアが2030年迄に、電力は100%再生可能エネルギーから作るという目標を示しているが、太陽光や風力の発電容量の増加は遅々として進まず、現時点13%に留まっている。いま進行している揚水発電設備は、将来不規則な出力変動がある太陽光や風力発電の拡大への準備だと言えるかもしれない。

 

 

 

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