真空中に磁石で持ち上げて、摩擦をなくした円盤を回転させると、その回転力は削減されることなく回り続ける。真空を維持するのにエネルギーが必要かもしれないが、一応蓄電効果が出ることは知られている。
オーストリアのグラーツ工科大学などの研究グループは、円盤を回転させる「フライホイール」を利用したエネルギー貯蔵システムの試験機を開発したと発表したようだ。電気エネルギーを円盤の回転エネルギーに変えて保存し、必要に応じて電気エネルギーに戻すことができる。フライホイールは一般に蓄電池よりも高速な充放電が可能で、太陽光発電の余剰電力を蓄える用途などを見込んでいるとのことだ。
同じ発想でフライホイールによる蓄電は、かなり昔から試行されてきたが、実験段階から脱出した物をまだ聞いたことがない。今回のプロジェクトの今後はどのような展開になるのだろうか。研究グループは容量5キロワット時、出力100キロワットのシステムを開発したという。フライホイールはエネルギー貯蔵量を増やすために、円盤を重くしたり、回転速度を速くしたりするアプローチがとられる。開発した円盤は重さが160キログラムで、毎分3万回転することが可能としている。遠心力が働くため材料には引っ張り耐性に強い炭素繊維を使う。
電力系統に接続すれば、周波数変動を抑えることに役立つ。一般に、電力系統に占める再生可能エネルギーの割合が増えると、周波数の微小な変動が大きな変動に拡大しやすくなる。変動を元に戻そうとする火力発電のような「同期電源」の割合が低いためだ。そのため周波数変動が小さいうちに変動を抑え込む高応答性の電力システムが求められる。
フライホイールは蓄電池に比べてエネルギー密度が小さいが、応答性にたけており、有力なエネルギー貯蔵システムの一つとされる。また、素材に稀少金属を必要としないために、コストを抑制できるのだが、これまで商品化できなかった要因は何だったのだろうか。一つの要因は重量が必要となることだろう。この課題が解決できたのだろうか。
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