効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電車の回生電力を貯める超電導蓄電システム

電車がブレーキをかけるときに、モーターを発電機として使って発電することで速度を遅くするシステムが普及しているが、それをトロリーに逆送しても他の電車の駆動などに使い切れないことが多くなっている。その課題を解消するためには、回生電力を貯蔵する蓄電システムが開発されている。その一つとして鉄道車両向け電機品大手の東洋電機製造は、JR東日本などが進める超電導技術を使った蓄電システムの開発に参画し、JR東日本から委託を受けて「超電導フライホイール」と呼ばれる機構を開発する。鉄道向けシステムとしては世界初の実用化を目指す。電車がブレーキをかけた際に発生するエネルギーを電池ではなく、空気抵抗がない真空状態の宙に浮かぶ大型の円盤(フライホイール)を回転させて貯蔵し、登坂や加速の際に電気に変換して利用する。超電導状態で浮上しているフライホイールは他の部品や地面と接触しないため回転の際のエネルギー損失が少なく、省エネやメンテナンスの簡略化も期待できると報じられている。この報道には説明がされていないのだが、超電導を利用するには、浮き上がらせる磁石に使われる超電導線をかなり低い温度にしなければならない。液体窒素の沸点である−196℃ (77 K) 以上で超伝導現象を起こすものは特に高温超電導物質と言われる。その低温を出すために必要な電力が大きければ、回生電力の貯蔵ができたとしても電力収支は合わなくなる。その当たりの計算はどのようになっているのだろうか。液体窒素を作るための電力にも回生電力を使えるのかもしれないが。強力な永久磁石で浮上させるという方式は使えないのだろうか。超電導については、変電所から架線への直流供給に超電導を利用する方式も実証試験がされていると聞く。