効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■欧州で大停電の可能性があった

今年の1月8日14:05 CET(中央欧州標準時)に、欧州大陸の広大な地域が停電する可能性のある事故があったようだ。クロアチアの変電所内の400kVの連系線に異常が起きて自動的にスイッチが切られたのをきっかけに、隣接する変電所も停止する事態となり、これが悪くすると全体で送電線を流れる電流の周波数が大きく乱れ、これに繋がっている系統全体が停止する可能性もあったという。

この欧州西部の系統制御を行っているシステムオペレーター、ENTSO-E、が、すぐこれに対応して、通常は全体として一体化している欧州西部の送電系統を2つに切り離し、停電を食い止めることができたということで、その分析レポートが出されている。通常は50ヘルツで同期している欧州の送電系統を北西部と南東部完全に二つに切り離し、二つの50ヘルツ地域をそれぞれ独立した送電系統にするという、いわば離れ業をしたということだ。

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分断された地域

この分断によって、北西部は電力の供給不足が、南東部には余剰電力が起きたようだが、北西部では電力周波数が15秒の内に49.74Hzに下がり、南東部では50.6Hzに上がっている。このプロジェクト周波数の変化が続けば、全部の発電所が停止する可能性もあったが、システムオペレーターが迅速かつ適切な対応をしたために、それ以上の周波数変動が起きる前に、全体の系統を完全に分割制御したようだ。その時、フランスとイタリアの連系線170万kWは切り離されている。北欧と英国の発電所の出力は、周波数のさらなる低下を防ぐために急速に上昇(500万kW)する操作がされていた。南東部では周波数の急上昇を抑えるために、いくつかの発電所が出力を急速に絞り込んでいる。

その後も両地域の電力周波数は動揺を続けたが、何とか許容範囲を越えることなく、発電所の全停という最悪の事態を避けることが出来たのだった。

電力関係者にとっては最悪の事態を避けられたのだが、僥倖としか言えないようなことが起きていたと言うことだ。15:08に分断は回復して、通常の送電ができるようになったと言うから、大惨事が起きるのを防いで1分ほどで復旧させ、両地域は通常の一つの送電系統に戻れたのだった。

 

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