三井物産や三菱商事などが出資するロシアのガス権益の配当が中国人民元で支払われたことがわかった。ウクライナ侵攻への制裁で西側諸国がロシアをドル決済網から締め出した結果、ドルでの受け取りが困難になったためだ。対ロ制裁の長期化が日本企業の決済にも影を落とし始めた。
エネルギー資源を輸出することによって国の経済力を維持してきたロシア。苦肉の策として人民元で決済する形になったが、これによって、発展途上国への人民元貸し付けなどで、国際通貨としての地位を高めてきた中国に大きく世界経済での地位を高める機会が生まれた。ロシアとの経済協力と同時に、自国通貨の地位を大きく高めることになっている。
「サハリン1」には経済産業省や日本の商社などが出資するサハリン石油ガス開発が30%の権益を持つ。「サハリン2」には三井物産が12.5%、三菱商事が10%をそれぞれ出資していた。両事業とも、ウクライナへの軍事侵攻後、米欧企業が撤退したことに伴い新たな運営会社に移行したが、日本勢は新たに出資し直して権益を維持した。
人民元建て取引は世界で広がっている。中国国有石油大手の中国海洋石油(CNOOC)と仏トタルエナジーズは3月、LNG取引を人民元建てで決済した。ブラジルも中国と貿易や金融取引で人民元も決済通貨として使える仕組みを導入。中東勢もドル以外の決済通貨を使った取引に前向きな姿勢だという。
これから次第に人民元がドルに代わる決済通貨としての力を付けるようになるだろう。その時に日本がどちらを重点的に利用するかが問われることになるかもしれない。
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