効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国がロシアに制裁

トランプ大統領は当選後ロシアとの関係を好転させようと動いていたが、最近その方向を転換し、ロシアへの制裁として、ロシアと関係する事業者の動きに制約をすることに踏みきり、議会も制裁法案を議決した。この動きの当初から、これはロシアからのエネルギー輸入に大きく依存している欧州諸国に大きな打撃を与えることになるのではないかと思っていた。それを具体的に述べたファイナンシャル・タイムスからの記事が転載されているのを見て、将来のエネルギー供給に向けたプロジェクトに関わるメジャーや鉄鋼産業が制裁の対象になりかねないと知って、米国は欧州諸国との関係も悪化させることは確実になると心配している。米議会で圧倒的な賛成により可決された後にトランプ氏のもとに送られた制裁法案は、ロシアの輸出用石油・ガスパイプラインの建設または「近代化あるいは補修」に対する「財、サービス、技術、情報、支援」の提供を禁じている。これによって力を得るのは中国企業だろう。これまで米国の同盟国であった諸国は、どこもこの制裁法の影響を受けることは確実。具体的にどのような方策がとられるかはもう少し様子を見なければならないが、トランプ大統領は、振り上げた拳の落としかたによっては、自分の地位にも大きな悪影響を与えるのが分かって、具体的な制裁に踏み切れなくなる可能性もある。米国は急速に世界一の政治的、経済的地位を失いつつあることは確かだ。