九州電力と再生可能エネルギースタートアップのパワーエックスは25日、世界初の蓄電池の海上送電事業について共同で検討すると発表したと報じられている。再生エネの電気を蓄電池にためて船で運ぶ。発電所から都心など電気の需要がある場所まで送る電線には容量に制約があり、船による送電で補うことを目指す。
この方式というよりも、蓄電池を載せた貨物列車による電力輸送、販売について、その採算性について以前相談をうけたことがある。こちらに十分な情報・データがなかったこともあって、採算性どころか、実効性にも疑問があると回答したのだが、今回のような船舶による蓄電池輸送は、海上風力発電を新設するときに必要な海底送電線の設置が不要になるために、そのコストを比較して有利な方を選んだと言うことだろう。
この蓄電池は必ずしも需要地の真ん中まで運ぶ必要はなく、送電系統に余裕があるとことにまで運べば良い。日本の場合、鉄道路線がかなり普及しているために、また、定期貨物列車の走行も頻繁だから、それに積み替えることも考えられる。ただ、港での積み替えには、かなりの手数がかかるから、港に系統容量の余裕があれば、蓄電池から直接電力を交流に変換して送ることはできるだろう。
ただ、この電池を輸送する船は、電気モーターで推進する形式で、化石燃料を使用しないものであることが望ましく、新たな構造で建設しなければならない。その検討にも時間がかかるかも知れない。船舶で蓄電池を輸送する方式にすれば、かなり輸送の自由度が上がることになる。この検討結果がどう出るかには大きな関心がある。
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