効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■回生電力の利用

オーストラリアの国土は巨大で、鉱山資源のある場所と、それを海外に輸送する港との間の距離が長いために、貨物列車で1,000kmを越える走行路線も多い。このように長大な路線を電化することは、膨大な投資が必要となるために極めて難しい。しかもディーゼル機関車で貨物列車を引っ張るのだから、排出される地球温暖化ガスの排出量も非常に多くなる。

そこで検討され始めているのが、蓄電池や燃料電池で駆動する貨物列車のようだ。その場合、充電や燃料電池用の水素を充填する設備も必要となるが、その規模を大きく削減する手法として有効なのが、回生電力を蓄電するという方式だと報じられている。

これまでの貨物列車の場合、ブレーキは車輪をブレーキシューで押さえつけ、摩擦で速度を落とすのが普通だが、これを車輪の回転軸に発電機を設置して、ブレーキを掛けるときに発電させる方式にすれば、速度を落とす毎に発電してくれる。あるいは、長い坂を下る場所で、速度を抑える毎に発電してくれる。その電力を蓄電し、加速するときにその電力を使う回生電力の利用方式にすると、全体のエネルギー消費量が大幅に減少するということが、クイーンズランド大学の研究で分かったとのこと。

これを再生可能エネルギーからの電力利用だとされているが、この方式を使えば、21%から55%ほどもエネルギー消費量が削減できるらしい。この方式で発電される電力を貯める蓄電池の容量は、0・4 MWh から 1・6 MWhの小規模のものとなる。蓄電池や燃料電池のコストも急速に下がりつつあることから、回生電力の大幅な利用が現実化しようとしている。その場合、貨物搭載車両に発電機を着ける方式に変えていかなければならないが、必ずしも一度に転換する必要はないかもしれない。近い将来、ブレーキという再エネを利用した脱炭素貨物列車がオーストラリアで走り出すことになりそうだ。

 

 

 

 

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