ＥＶ充電スタンドの数を倍増させる方針が出たようだ。ＥＶ普及の為には欠かせない設備の拡充は、望ましいことではあるが、設置の場所が次第に郊外の住宅や事業所の数が少ない地域に設置される数が多くなるはずだ。その時に課題となるのは、スタンドの設備に電力を供給する送電系統の容量が十分に確保できるかということだろう。
充電スタンドにＥＶが入って、充電のスイッチを入れると、そこの電力消費量は急増する。その変動に対応出来るだけの送配電系統がなければ、新たな送電量の増加に対応した送電系統の強化が必要となる。この強化コストを充電スタンド事業者が負担するとなると、受電設備設置コストは大幅に高くなる可能性がある。それを取り戻すために充電料を高くすると、利用するＥＶの数が少なくなり、さらにコストの回収が難しくなる。
それを避けるためには、当初のコストは掛かるが、大容量の蓄電池を充電所に設置して、充電時の電力消費の急上昇を蓄電池で抑制する方策が必要となるはずだ。蓄電池のコストは年々下がっているとはいえ、その設置コストは、全体の設備コストのかなりの部分を占めることになる。充電スタンド事業者は、その設備コストを短期に回収できるかどうか。そこを利用するＥＶの数にも支配されるから、どれ程の数を増やすかは、今後のＥＶ走行台数の増加に依存することになる。発表されたスタンド数の増強はＥＶの普及拡大に依存することになる。日本のＥＶ普及は遅いと言われている中で、充電スタンド増強にはかなりの公的補助が必要となるだろう。ごく当たり前のことなのだが。その補助施策がどのような規模になるかを知りたいと思う。
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