効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■電気運搬船

電気を蓄電池で運ぶというのは、小さいものでは自動車に昔から使われている鉛電池があるが、最近ではリチウムイオン電池が主流となり、技術開発も進展している。メールで届けられた情報だが、スタートアップのパワーエックスは、蓄電池を搭載して電気を海上輸送する「電気運搬船」を2025年に運用開始する予定だ。電気運搬船によって沖合から需要地まで低コストで電気を運べる新たな送電技術は、既存の電力システムに変革をもたらす可能性がある。これまでは海底電線で送っていたが、高圧直流で送られている。交流で送ると損失が大きいからだ。

電気運搬船は、電気の燃料ではなく、その名の通り、電気そのものを運ぶ。船に蓄電池を積み、発電地域まで行って電気をためて、需要地に移動して電気を供給する。初号機は2025年に運用を始める予定で、国内の洋上風力発電所から近隣の港に電気を運ぶケースなどを想定している。この運搬船の動力も電気だろうか。

世界がカーボンニュートラルに向かう中、新たに二酸化炭素を大量に排出する火力発電所の建設は難しく、原子力発電所の再稼働も遅れている。再生可能エネルギーを溜めて有効利用する技術があれば、電力需給逼迫の解消、脱炭素社会実現にも役立つことができる。だが、地上の送電系統は交流だから、蓄電池から出る直流を交流に変換しなければならない。その時の変換損失がどれ程かによって、事業収益は大きく変わるだろう。

初号機は、蓄電池の容量が約24万キロワット時と約2万4000世帯の1日分の電気を運べる。電気運搬船が使われるケースは主に2つだ。

沖から陸に運ぶケースでは、国内で40年に最大4500万キロワットの整備が目標とされている洋上風力の増加を見越している。中でも、遠浅の海が少ない日本で増えるとみられているのが沖に設置する浮体式の洋上風力。浮体式になると沿岸から30km程度離れた場所に設置することになるため、この距離で電気運搬船が活用できる。これより先行導入する見通しなのが、陸から陸に運ぶケースのようだ。メガソーラーが敷設された離島から九州本島に電気を供給するために利用するが、その必要度が高まっているとのこと。

大きな港には高圧交流送電線が入っている。その数だけこの電気運搬船が利用できる拠点があることになる。船だから、重量のある蓄電池の運搬に問題は無いだろう。動力に何を使っているかによって、炭酸ガスの排出量は変わるが、電気モーターを使うとすれば、ゼロエミッションのプロジェクトになる。先行事例は世界のどこかにあるのだろうか。

2021年12月8日に今治造船が電気運搬船を作るということを書いていたことに後から気がついた。それより前にも書いているものの計画が具体化したものだ。直交変換装置を各港に設置するコストは誰が負担するのだろう。

 

 

 

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