効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■欧州の天然ガス(LNGを含む)需給

ロシアがウクライナに突如侵入し、領土を占拠してから1年以上が経った。EC諸国は米国と協力してウクライナを支援しているが、やはりロシアとウクライナの国力の差は大きく、ウクライナは良く持ちこたえていると思うくらいだ。だが、ロシアも想定を遙かに超えたウクライナの反攻に手を焼いていることも確かだろう。

その間、ロシアはドイツへの天然ガス供給パイプラインを閉止し、ドイツ経済への影響も大きかったが、西側諸国の支援もあって、エネルギー不足に何とか耐えてきた。米国もLNGの供給を行ったが、自分が予想した以上に早くLNG受け入れ設備を完成させたドイツの産業・技術力には感嘆するほかはない。

ドイツからの天然ガス供給が止まったことによって、欧州全体にエネルギー不足が強まり、LNGの価格が急騰するのではないかと思っていたが、現時点では逆にLNG価格は下がる方向にあると報じられている。ただ、今後もこの状況が継続する保証はない。とはいうものの、欧州には地下ガス貯蔵量が大きいために、天然ガス不足に対応したエネルギー消費量の抑制効果も合わさって、天然ガスLNGの価格は安定しているのが現状のようだ。価格が下がるという予想もあるらしいが、これはウクライナ情勢の動向次第だと言える。

これはロシアにとって予想外のことだったに違いない。ドイツがエネルギー危機に陥って手を挙げてしまうと考えていたに違いないが、欧州全体の送電網が連系しているために、電力の輸出入がやりやすいのに加えて、ドイツが再生可能エネルギーの開発に力を入れてきたことが大きく貢献している。再エネ電力価格の低下が、ドイツだけでなく、欧州諸国の経済を支えていると言えるだろう。

しかし、これから欧州の天然ガス価格が上がるという予想もある。それには、米国のLNG価格の動向も影響することになるだろう。ウクライナがロシアに蹂躙されてしまわないことが前提だが、欧州のエネルギー価格に急激な変化はないだろう。通常のガス取引市場の価格変動に近い動きをするのだと思う。

 

 

 

 

 

 

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