効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■米国のLNG

ロシアのウクライナ侵攻後1年が経過した。その間、ロシアから輸入する天然ガスに大きく依存するドイツは、制裁としての輸入削減や海底パイプラインの破壊もあって、天然ガス不足に陥っている。原発再稼働や石炭火力の稼働停止延期などによって、また、今年の冬が暖冬であったこともあって、何とか国内のエネルギー需要に対応出来たが、それに加えて、米国からLNGが緊急にドイツ向けに新たに輸出されるということも起こったが、米国にLNGの生産余力があったからできたことだし、LNG輸入基地がドイツの天然ガス需要に対応出来たからでもある。

調査会社ライスタッド・エナジーによると、2030年のLNG生産量は米国が世界の3割を占め、足元の2割から拡大するようだ。ロシアの欧州向けガス供給が激減する中、欧州や中国企業と長期契約を交わした複数の米国プロジェクトが年内にも動き出す。22年のLNG生産量は米国とカタール、オーストラリアが7000万トン台でほぼ並び、3強状態にある。30年には米国が約2億トンまで増え、2位カタールの約1.7倍の規模となる見通しだ。このLNG生産量の増加は日本の電力・ガス事業にとって、ロシアからのLNG供給がどのようになるかの見通しが立たない中では、救いの神のようなものだ。日本の参加している米国LNG事業も幾つかあるから、これからの世界情勢の中で、米国が増産の方向に向かうのは安心感が強いだろう。

カタールも増産投資を進めている。だがシェール革命(堆積岩の層から採取される天然ガス)を経て、天然ガスの生産大国となった米国の増産ペースがさらに上回る構図になっている。米国のLNGは中国にも輸出されているから、中国の経済がこれから拡大の方向に行けば、日本もその影響を受けることは確実。だが、中国と台湾との関係で、米国が中国向け輸出を絞れば、世界政治にも大きな影響を与えることになる可能性がある。日本がこれへの対応策となるのは、オーストラリアからのLNG輸入を安定的に確保できるようにすることだろう。

 

 

 

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