ウクライナへロシアが攻め込んだことから、両国の紛争についてロシアを批判するNATO諸国などが、ロシアの輸出に制約をかけるようになった。また、ロシアがこれに対抗して欧州への天然ガス輸出を停止したことから、40%ほどの天然ガスをロシアに依存してきた欧州が、その量を中東からのLNG輸入に振り替えようとしている。LNG受け入れ設備や輸送の制約から、全量を振り替えることは無理だろうが、日本が中東から輸入しているLNGの量が大きく削減されるのがほぼ確実となっている。
2020年の資料で、日本のLNGは、オーストラリアからの輸入量が全体の39.1%、次いでカタールから11.7%、オマーンから3.3%、ブルネイから5.3%、ナイジェリアから1.8%、と、33%程を中東諸国から輸入している。どれだけとはまだ明確ではないが、この内かなりの部分が欧州向けになると予想される。原油についても、輸入量の90%が中東諸国からで、これもその一部が欧州向けになる可能性がある。そして、全体の化石燃料価格が上昇することもあり、日本はエネルギーの確保とコスト上昇の抑制にかなりの政治的取引をせざるを得なくなるだろう。
米国、オーストラリアやマレーシアからのLNG輸入を増やさざるを得なくなる。だが、輸入増ができる量には限界があり、ロシアがサハリンからのLNG輸出を止める事態になると、日本は電力・ガス事業は危機的状況に陥る可能性がある。欧州は天然ガスを地下貯蔵していることから、この冬が越せなくなる事態は避けられるとしても、中東などからのLNG輸入が急速に増えることは確かだろう。日本はこれに対応するには、節電・節ガスを強化するしか対応策はない。欧州よりも日本の方が、この冬のエネルギー不足が深刻になるのではないだろうか。
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