JR東日本は6日、日立製作所、トヨタ自動車と共同で水素燃料電池と蓄電池を併用するハイブリッド試験車両を開発すると発表した。開発や実証実験などに約40億円を投じて実用化の可能性をさぐるとしている。実験用に水素タンクや燃料電池、蓄電池などを搭載した2両1編成のハイブリッド車両を製造する。燃料電池からの電力とブレーキ作動時の回生電力を蓄電池に充電。両方の電池からモーターに給電できる。最高速度は時速100キロメートル、1回の高圧水素の充填で最大140キロメートルほど走る。
この記事を読んだとき、実用車両の開発をするとの発表だと思ったが、試験車両だと言うに若干のがっかり。ドイツでは既に2018年9月から営業運転をしており、かなりの距離を燃料電池車が走っている。新列車は、ニーダーザクセン州にあるハノーバー近郊の地域鉄道路線に導入された。路線の総延長は約100キロメートルとのことで、そこを走る16編成のうち2編成が燃料電池列車となり、21年にはすべてこれに置き換えるということだ。その性能を見ると、最高時速140キロメートル、一充填での走行距離は1,000キロメートルであり、ディーゼル列車と同等。これは以前書いたことがある。いずれ再生可能エネルギーからの電力で水素を製造して燃料にする予定だが、JR東などの動きでは、列車自体がまだ完成していないことになる。記事にはJR東は水素タンクの圧力を70メガ・パスカルにするとしているが、これは既にトヨタ自動車が燃料電池自動車で使っている。搭載する水素燃料の多さからタンクが大きくなることが困難性を高めているのかも知れないが。それにしては一充填で140キロしか走らないのは失望でしかない。
実証実験は22年3月ごろから数年を予定しており、神奈川県のJR鶴見線の一部区間約10キロなどを実走する。JR東の深沢祐二社長は「実験の次のステップは営業車両。どの段階で実現できるかは実験をみて決めたい」と述べた。英国も燃料電池列車を間もなく走らせるはずだし、中国では路面電車が燃料電池で走っている。どうも日本の周回遅れが曝露されたかたちになってしまったようだ。写真を発表しているが、最終の形がどのようになるのだろうか。
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