■ニューヨーク州、新築建物の都市ガス利用への規制

ニューヨーク州が新設建物を全てガスの使用禁止の州法を設立させた。All-Electric Building Act（オール電化ビル法）がそれ。ニューヨーク州の地球温暖化ガス排出量の三分の一が建物からだとされる。2026年以降、7階建て以下の建物には、ガスや他の化石燃料を使用するコンロ、暖炉、温水器の設置が認められなくなる。それより階数の多い建物には2029年からこの規制が適用される。同様の規制はカリフォルニア州でも設定されているはずだ。

コンロからの排出ガスは同州の子どもの喘息の19％の原因であり、国全体で見ると、その数字は13％だとしている。この規制は既築の建物には適用されず、その建物に設置されている機器の更新には適用されない。商用、工業用の建物にも適用されない。また、ガス事業者が強く反対した内容の項目は入っていないという奇妙な条件もある。これからこの規制に対する訴訟が多数起きることが想定されている。

民主党が多数派であるニューヨーク州だから、この規制への反対は抑え込まれるだろうと考えられている。米国の環境対応の傾向を具体的に示す典型になっている。

これが他州や他国に伝搬する可能性もあるが、大きな流れにはならないだろう。だが、これから出版される料理関係の書籍には、電気利用の調理器が主流となるかもしれない。