効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■カリフォルニア州で建物のオール電化具体化

 カリフォルニア州は2022年以降、新設建物へのガス供給を禁じる規定を定めることになっている。2045年迄にゼロカーボンにするという目標を達成する一つの施策だ。これについて、民営の電力ガス事業者であるPacific Gas & Electric(PG&E)は、この方向に沿った事業運営を行うと表明し、エネルギー事業者としては同州で最初のものとなった。PG&Eは、今後ガス関連施設への投資を抑制するとしている。今後新設建物(ビル、住宅)へのガス配管接続もしないという。建物の冷暖房給湯全てを電気で行うことになる。

昨年、カリフォルニア州北部のバークレイ市が同州で初めて、ということは、全米で初めて、新設住宅へのガス設備の設置を禁止する条例を施行した。この後30以上の市や郡がこの施策を実施に移している。そして、この方向を電力とガスを供給するPG&Eが追認した形になる。昨年遅くにはマサチュセッツ州も同様の規制を提案し、間もなく承認されるとされる。

ガス事業者はこの動きに強く反対してきたが、PG&Eがこの方向に進むことになったことは、ガス事業者にとっては大きな痛手となる。この背景には、米国で再生可能エネルギーによる発電量が増加しているという事実がある。電気だけを使うとすれば、発電に使う化石燃料からCO2が排出されているから、電気を使うだけCO2の排出量は増える。しかし、再エネからの発電量が増えていけば、消費する電気から排出されるCO2の量は、天然ガスを使った給湯暖房から排出されるCO2よりも少なくなるというのがこの規制に向けた動きを支える理屈である。

米国の7千万世帯が天然ガスを使っているが、これがオール電化になると、電気ヒートポンプ給湯暖冷房の効率が高いために、CO2の排出量が大きく下がるという考え方が背景にある。新設建物の場合には、オール電化の方が設備コストも安くなるとされる。古くなったガス設備を取り替える時でも、電気設備に入れ替える方が安くなる場合もあるというレポートもある。これが先進国での主流になるとすれば、日本でも同じような施策が導入されるかも知れない。

ガス事業がこれに対応しようとすれば、グリーン水素からメタンを作る方策や、水素を燃料とする発電効率の高い燃料電池を使用したオール電化などにシフトしなければならないかもしれない。どの方策をとるにしても、コストの上昇は避けがたい。世界の動向を注視する必要があるだろう。

 

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