効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■バイオマスの栽培

昨日に続いて、再度バイオマスについて書くことになったのは、早く育つ植物の栽培を、双日と宮崎県が推進するという報道記事を見たからだ。双日と宮崎県は生育の早い植物を耕作放棄地などに植え、成長した後にペレットなどに加工してバイオマス燃料として活用する実証事業を始めるとのこと。早ければ植え付け後4カ月で刈り取って加工できるイネ科の植物ソルガムや、伐採できるまでに5年ほどしかかからないという早生樹ハコヤナギを活用するようだ。

19日、農業資源を活用した資源循環の仕組みづくりで連携協定を結んだと報じられている。双日が4月から県内の川南町、都農町ソルガムやハコヤナギを約10万平方メートル植える。ペレットに加工してバイオマス燃料として利用するほか、農業で使われるボイラーの重油の代替燃料に使うことを想定している。ソルガムは牛の飼料としても利用できるらしい。

耕作放棄地には当然所有者が居る。その所有者がまだ農業を続ける意思があれば、すぐには合意しないだろうし、放棄しているのであれば、その農地を買ってほしいと言うだろう。どう対応するのだろうか。農地の所有者が、環境対応のためだという説明に納得するだろうか。実証をしようとする農地の面積がかなり大きいから,賃借するとしても巨額の賃借料を農家に支払うことになるかもしれない。宮崎県が何らかの補助策を講じなければ、円滑な実証は難しいかもしれない。前向きに考えれば,農家に植え付けた植物の栽培に対して報酬を出すなども考えられるが、耕作放棄の原因が所有者の高齢化、あるいは、家族の離散などの場合、栽培を実際に手がける人が相当数必要になるが、十分対応出来るだけの人手と農機などを充足できるだろうか。最終的には事業として成立させなくてはならない。

とはいえ、新規にバイオマスを産出する方策を打ち出したのは高く評価したい。ただ、ここで育つ植生が吸収する空気中の炭酸ガスの量的な説明がされていないために、この実証が成功した後に、現在存在する耕作放棄地がどの程度この環境対応プロジェクトに回せるか、それに必要な人手はどれ程かの見当が付かない。とはいえ、行政と事業者がこのような実証を始めたことは、温暖化対応に向けた大きな一歩だと思っている。

 

 

 

 

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