効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ドイツで原発廃止

今日ドイツで原子力発電が停止したと報じられている。もともとメルケル政権時代に、福島第1原発の事故を受けて、停止の方向は決まってはいたが、これで全ての原発廃炉作業に入ることになる。もっと早く停止するはずだったが、ロシアのウクライナ侵攻後、ロシアからの天然ガス供給が削減されたために、停止が延期されていた。

福島原発事故よりも前から、原発事故は起こっている。1979年、米国ペンシルバニアスリーマイル島で、原発事故が起こっている。さらに1986年、旧・ソビエト連邦(現・ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故が起こった。これによって原発の危険性を現実のものと捉える国が続出し、1973年の第一次オイルショック以来原発依存の方向に向かっていた諸国も、その方針を転換している。

ドイツの電力事業者は原発を電力網から切り離し、最大15年ほどかかる長期の廃炉作業に移る。ドイツでの発電設備容量が急落することになるが、欧州諸国の送電系統は全て繋がっているために、不足分を輸入することができる。当面は輸入に依存しながら、風力発電などの再エネを増強することになるだろう。30年には電力の8割を再エネで賄う計画で、32年までに国土面積の2%を風力発電に充てるなど各州に用地取得も義務付けるようだ。

今後は廃炉作業に入る。使用済み核燃料の冷却などに時間を要するため、本格的な解体作業は5年後から段階的に始まり、廃炉の完了には15年程度かかる見通しだ。放射性廃棄物の最終処分地の選定など未解決の課題も残っている。通常の火力発電設備であれば,停止後はすぐに解体作業に入ることができるが、原発には放射能を持つ構造物があるために、それへの対応をしながらの作業となるために、おそらく想定以上の長期対応を余儀なくされることだろう。

ドイツに倣って日本も、というのはすぐには実現できない。欧州のように隣国と送電系統が繋がっていないからだ。再エネの増強も、欧米などに大きく遅れているために、原発の廃止には予想以上の時間がかかるだろう。

 

 

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