効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■電気自動車のデザイン柔軟化

これまでの自動車は、形の大小を問わず、エンジンという大型の精密機械を搭載して走行していた。その重量と形から、自動車、特に乗用車のデザインは、エンジンが極めて大きな制約要因となっていたのだと思っている。以前にも書いた記憶があるが、電気自動車(EV)になると、車輪の中に推進用のモーターを取り付ける方式であれば、極端に言えば、車体のどこにでも、走行のバランスが崩れない限り、蓄電池を分散させて取り付けることもできる。

この程、UBEが電気自動車(EV)の生産コストの削減につながる車体の製造装置を開発したと報じられた。車体に使う部品の3分の1ほどをアルミで一度に成型できる。多数の部品を溶接する現在の手法よりも車体コストが約2割下がる。アルミだから車体の重量も大きくさがるはず。欧州企業が開発で先行し米テスラが採用する一方、日本車は導入が遅れていたとのこと。自動車は鉄の精密溶接で作る物という既存概念を離れることが出来なかったのだろう。新製法の実用化で日本のEVのコスト競争力向上につなげるとのことだが、出遅れの感は否めない。

アルミで車体の部品を一体成型する装置はイタリアの機械大手イドラが先行し、テスラが主力車に採用しているようだ。テスラの生産性の高さを象徴する製造方式となっている。日本企業で実用化するのは初めてになるとのこと。国内の自動車大手が採用に向けた検討を始めたということだが、技術開発に手間取って諦める可能性もあるように思える。

UBEの開発した技術は、アルミを溶かして大型の鋳型に高圧で流し込み、車体の骨格部分の2~3割ほどを一度に成型する。これを鉄製の部品と組み合わせて車体をつくる。これまでは数十個の鉄製の部品を溶接でつなぎ合わせていた。

今回開発されたものは、溶けたアルミを高速で狙った量を射出する技術を強みとするようだ。新たに大きな金型でも正確に高速射出できるようにした。鉄の部品がアルミに置き換わるため、車体の重量も3割ほど軽くできる。ということは、燃費と表現しにくいが、蓄電池の電気の消費量が大きくさがることになる。蓄電池の蓄電容量は今後急速に大きくなると想定されるから、搭載する蓄電池の重量も下がる筈だ。

燃料電池自動車を生産するトヨタなどが、これをどのように取り込むかも興味のあるところだ。これには水素という制約要因もあるが、燃料電池の分散設置も可能だろうから、このアルミ素材の射出成形を取り入れることに難しさはないように思える。

課題は実用化までの時間だろう。

 

 

 

家族の一人がやっている猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form