効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■発電用石炭価格、豪州産が急落

発電用燃料に使う石炭(一般炭)の国際価格が急落していると報じられている。日本が主に使うオーストラリア産は2月下旬に1トン200ドルを下回り、ロシアのウクライナ侵攻前の水準に戻った。欧州の天然ガス不足への懸念が後退し需給が緩んだことが背景にあり、電力各社が申請した電力料金の値上げ幅の圧縮につながる可能性がある。

指標となる豪州ニューカッスル港積みの高品位石炭のスポット価格(週次)は、2月末時点で1トン179.57ドル台と、2022年9月に付けた過去最高値の同440ドル超に比べて6割近く安い。侵攻後から今年1月半ばまで、豪州炭はロシア産石炭の調達回避や天然ガス高に伴う代替の動きなどを理由に、400ドルを中心に高値が続いていたとのこと。

価格下落の背景には欧州の天然ガス不足が緩和し、代替燃料として使われた石炭需要が低下したことある。払底が警戒されていた欧州の天然ガス在庫は、記録的な暖冬に伴う消費抑制によりこの時期として高い水準を維持している。欧州の天然ガス価格もピーク比8割安まで下がり、石炭の需要も鈍化した。石炭は資源量も豊富でこれまでは安価に入手しやすかったのだが、昨年の石炭需要急騰で様相は一変。日本エネルギー経済研究所の試算によると、主要燃料を同じ熱量あたりに換算した日本の輸入価格は22年後半には石炭・石油・液化天然ガスLNG)がほぼ等価になったとのことだ。熱量換算で等価の場合、熱効率の差に加えて、石炭火力は燃焼時に発生する灰の処理コストなども含めるとガス火力に劣り、需要を低下させる要因になる。需要が低下する中、供給は安定していることから、価格が低下したらしい。

豪州炭価格の下落は日本の発電コスト低減につながる。日本全体の発電に占める石炭の割合は3割とガスに次いで大きい。日本の調達国別にみると豪州炭の調達比率は22年の推計で65%。ロシア炭の禁輸の影響が加わることで、23年は69%まで高まる見通しになっている。この石炭価格の低下が電気料金に反映されるには1年ほどのタイムラグがあるそうだが、電気料金高騰の抑制効果が期待できるかもしれない。石炭価格が再上昇するリスクが消えたわけでは無いようだが。(日経新聞3/1の報道による)

 

 

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