効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■石炭価格がLNG価格より高くなる

 新型コロナウイルスの押さえ込みのために、世界経済が破綻の方向に向かい、経済を支える一つの重要要素であるエネルギー需要が急落している。それに伴って世界の石油価格が低下の方向に向かったが、これまで価格低落の抑制に動いていたサウジアラビアが石油生産を絞らず、また、新たに石油の純輸出国となった米国も石油生産の抑制策を政治的にとらなかったために、石油の市場価格が急落し、一時的とは言えマイナスの価格がつくような事態になっている。その価格と連動する部分があるLNGの価格も低下し始め、そのようなリンクを持たない石炭価格が相対的にLNG価格より高くなりつつあると報じられている。日本でも地球の気候変動に影響が高い石炭が使い続けられているのは、基本的に価格が安いからであるが、その構造が変化し定着する可能性が高い。

 100年前にエネルギーの主役は石炭から石油へと大転換した。それから100年後の現代、主役の座を追われた石炭はさらに液化天然ガスLNG)に取って代わられる瀬戸際に立つという記事を見たが、世界のエネルギー政策が転換する時代になったのだろう。米国ではシェールオイル・ガスの開発が進んでいるが、この生産を止めると石油・ガスの採掘ができなくなる可能性が高いために、生産を継続せざるを得ないようだ。それによって貯蔵量の限界が近づく石油・天然ガスの市場価格は、コロナの影響が続く間低落の一筋になる可能性が高い。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、石炭は世界のエネルギー需要の26%を賄っている。その比率が下がり、その大元は石油価格の下落に連動するLNGの国際市場価格の低落だが、環境汚染の原因とされる石炭の利用継続を支えていた価格の安さが失われると、石炭の消費、特に発電への利用が急落するのは確かなようだ。歴史の流れが、大きな方向転換をした時代になる可能性が高い。

 

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