ドイツがロシアから天然ガスを輸入してきた海底パイプライン、ノルドストリームI,IIが停止して、大量の天然ガスが不足する事態になったが、この非常事態を乗り切る国家プロジェクトとして建設されたLNG受け入れ基地が運用を始めるらしい。それでもドイツはエネルギー不足が続くことになることから、風力発電のプロジェクトも恩恵を受けているかというと、風車の原材料の価格が急上昇したために、認可を得た風力発電の建設を進めても、設備コストが大幅に上がり、さらには、建設要員の給与も上げざるを得ない経済状況にあるために、プロジェクト自体が収益性を失っていると報じられている。このままで行くと、風力発電の拡充は出来なくなる可能性があるようだ。
ドイツが直面しているエネルギー不足は、風力発電の拡大を促進すると認識されていたのだが、事業性がなくなるというドイツのエネルギー政策としても危機的な状況になる可能性がある。これから新設しようとする計画のプロジェクトは、認可を得るまでの手続きにも時間がかかり、その間に全体のコストがどんどん上がってしまう。LNG受け入れ設備のような国家主導のものではないために、風車を設置するに必要な認可手続きを短縮しようとする動きも見られない。急速なインフレが、ドイツの地球温暖化対応の足を強く引っ張る結果となっている。
ウクライナへのロシア侵攻前に、風車や鉄塔、電線などの資材の購入を済ませていた風力発電事業者は、資材コストの影響はあまり受けないとは言え、その組立にようする工程のコストが急上昇することは避けられないために、プロジェクトを中止も出来ないし、完成しても利益が出ないという苦境に陥っている。電力の買取価格を上げるなど、何らかの形で国が支援する方策を考えないと、環境対応先進国としてのドイツはその地位を捨てることになるかもしれない。風車機材の多くはは中国からの輸入に依存するが、エネルギーをロシアに依存していたのが中国依存に変わるだけだと嘆く事業者もいるとのこと。ドイツの自治体の中には、風力発電設置申請手続きを簡易化するところも出ているとも報じられている。
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