効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■欧州の天然ガス市場に米国が介入

 欧州は天然ガス消費量の約4割をロシアから輸入している。パイプラインによるが、これがロシアとの間で対立しているウクライナを経由して圧送されているために、以前にはウクライナを制裁するためにガス供給に制限を加えたときに、欧州へのガス供給が一時止まったことがあり、それを回避するために新たなパイプライン、バルト海の海底を走るノルドストリーム2が建設中でまもなく完成する。これによってロシアの天然ガスウクライナを経由しないで欧州に送られるため、ウクライナとの対立の影響は減少すると考えられていた。

 ところが、これに米国、というよりもトランプ大統領が、欧州がロシアから天然ガスを輸入するのはけしからんとして、ロシアからドイツに向かうパイプラインに制裁を課すと言い出した。ロシアだけでなく、ロシアが最大のガス調達先である欧州からも反発の声が上がり、米欧関係にも影響を与えかねない事態になっている。20日に米国が発表した制裁は、バルト海の海底を通るノルドストリーム2と黒海海底に敷設するトルコストリームを標的とし、敷設事業に関与する企業関係者を対象にしている。当然ロシアは反発し、「米国は液化天然ガスLNG)の購入を欧州に強要しようとしている」と批判している。米国による制裁決定にはロシアだけではなく、ドイツも反発しているのは当然のことだろう。

 ロシアの国営ガス会社ガスプロムはドイツに向かう「ノルドストリーム2」とトルコに至る「トルコストリーム」の2本の大型ガスパイプラインを20年に稼働させる予定で、ウクライナ経由の輸送量を減らしたい思惑がある。だが、ロシアがウクライナに賠償金を支払うことで天然ガス供給の支障はなくなったようだが、米国の介入によって、米露の対立に発展しそうだ。明らかにトランプ大統領は米国からのLNG輸出を増やす目的で圧力をかけている。NATOへの拠出金について欧州加盟国に負担を増やせという要求をしているが、それに加えて新たな世界的対立が生まれることになるかも知れない。

 

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