効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ロシアからのLNG

いまロシアからのLNGは、サハリンで採取された天然ガスウラジオストックにパイプラインで送り、そこの基地で液化してから日本に輸出されている。その量は年間1千万トン。これに新しくイルクーツク州やチャヤンだのガス田からのガスを液化したものを、2018年に500万トンから始まって最終規模は1,500万トンにもなるLNGとして日本へ輸出することをロシアが計画し、日本企業の参画も想定している。国営企業ガスプロムの決定だという。新しくウラジオストックまでのガスパイプラインの建設も行われる。
これまでの主要販売先である欧州向けのガスの輸出が伸び悩み、価格も下落しているからということだが、これだけなら短期的な問題であるかもしれない。しかし、世界的にシェールガスの開発が進めば、長期的に見てもロシアがこれまで享受してきた市場支配力は回復しないかもしれないということもあるだろう。
この計画の実現は、いま日本が輸入しようと交渉している米国産のLNGへの米国政府の政策にも影響して、日本にとっては有利な世界市場が生まれ、いま高止まりしているLNG価格が長期的には下がるかもしれない。価格のことだし、地政学的な影響も受けやすいためにあまり楽観はできないが、日本の原発代替燃料として今後輸入が増大せざるを得ない日本としては、この計画の推進がエネルギー政策としても重要なものとなるだろう。