米カリフォルニア州が2035年までに州内で販売する新車をすべて排ガスゼロ車(ZEV)にするよう自動車メーカーに義務付ける、と日経Viewが報じている。排ガスゼロの車は必ずしも電気自動車だけではないが、蓄電池の性能向上、コストダウン、充電設備の普及などを勘案すると、電気自動車(EV)が大勢を占めるだろう。自動車の販売台数が中国に次いで6割ほどの米国の中で同州は1割強を占め、国別にあてはめれば世界9位に相当する一大市場だ。日本は2021年の数字では販売台数世界第3位。
同州は30年以上も前から電気自動車(EV)の普及の旗を振るパイオニア的存在だが、2年前、ニューサム知事が2035年にガソリン車の新車販売を禁止すると全米で初めて表明し、規制づくりを指示した。25年までのZEVの販売要件はすでに決まっており、今回策定したのはその先10年間の行程表だ。26年以降のハードルは、質・量とも格段に上がる。新規制はEV、燃料電池車(FCV)に加え、電池だけで約80キロメートル以上走れるプラグインハイブリッド車(PHV)も認めるが、ZEV全体の2割が上限になっている。未達成のメーカーに課す罰金は1台5000ドル(約72万円)から最大2万ドルへ跳ね上がる。いまは超過達成した他社からクレジット(排出権)を購入して罰金を軽減できるが、新規制にはその仕組みがない。
このZEV規制を通じ、カリフォルニア州は40年までに車から出る温暖化ガスを半減させ、年130億ドル相当の健康被害を減らせると試算している。昨年の同州の新車販売193万台は、世界8位の英国(204万台)に匹敵する。うちEVは1割近い18万台あるが、4分の3はEV専業のテスラ製だ。他メーカーは同社からクレジットを買い、巨額の罰金支払いを回避しているのが現状。罰金が4倍となり、クレジットで相殺できなくなれば、市場からの撤退を選ぶメーカーも出てきそうだ。
リフォルニア州の場合、ZEV比率は25年の22%から26年は35%へ一気に上がり、その後も右肩上がりの規制値を毎年クリアしなければならない。メーカーに与えられる時間的猶予は少ない。これまで燃料電池自動車の技術開発に重点を置いてきたトヨタ自動車が、EVの開発にも力を入れ始めたのもこれがきっかけかも知れない。
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